JNEWS会員配信日 2014/10/22
ネットの副業からスタートした個人デザイナーが、大手のメーカーや小売業者の目に留まって契約に結びつくケースも海外では増えてきている。商品に使えそうなデザインが欲しい大手企業の担当者は、ピンタレストやフェイスブックをよくチェックしており、ユニークな作品を公開していると、海外からのオファーが来るケースもあるという。
無地の既製品にデザインを印刷するだけでなく、もっとオリジナリティに富んだデザイングッズを販売する場としては、ハンドメイド品のマーケットプレイス「Etsy」が活用されている。ハンドメイドといっても、最近では3Dプリンターやレーザーカッターなども使われて、個人作品のクオリティは高くなっている。
※3Dプリンターを利用した作品例(Etsy)
Etsyは、2005年の開業から8年間で、登録ユーザー数が4000万人(200ヶ国以上)、2013年の総売上高は13.5億ドル(約1400億円)にまで成長していることから、個人作家がビジネスの規模を拡張していけるように、出品ポリシーの変更が2013年10月に行われた。
出品の必須条件が「ハンドメイド品であること」は、以前から変わらないものの、制作に必要なヘルプ人材を雇ったり、自分がデザインした作品の制作を、外部の業者に委託すること(衣類の裁断や縫製、ジュエリーの鋳造等)も認められるようになった。ただし、大量生産するための機材を使うことはNGで、製作の工程がハンドメイドで行われていることの透明性を示すことが求められている。
そのため今後は、ユニークな発想を持つデザイナーと、腕の良い職人とが協業したハンドメイド製品が増えてくることが予測されている。
これは、日本の職人や中小工場にとっても朗報で、海外の個人作家がデザインした作品を、日本で受託生産できるような体制を作れば、米国のハンドメイドブランドに「メイド・イン・ジャパン(=高品質)」の付加価値を付けることができる。
また、日本の個人作家が、国内の職人と組んで制作した純日本製の作品を、Etsyから海外へ売ることにも商機がある。それは、Etsyが新たに導入した卸売プラットフォームの活用ともリンクしてくる。
■この記事の主な項目
●世界に広がる絵文字文化とアバターデザイナー
●副業デザイナーの収益化モデルについて
●デザイナーが生み出すハンドメイド作品の商機
●企業からスカウトされやすい個人アーティストの特徴
●Etsyを利用したデザイナーグッズの販売方法
●Etsyが目指す卸売ビジネスの仕組み
●ハンドメイドブランドの発掘と育て方
●米国で広がる家内制手工業への回帰
■この記事の完全レポート
・JNEWS LETTER 2014.10.22
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