|
高級サービスをウリにした 隠れ家的商売と自宅店舗の採算 |
JNEWS会員配信日 2007/3/24
かつての自営業者というと、自宅と店舗とが同じ屋根の下にあるというのが一般的な姿であった。八百屋や魚屋、それに飲食店など「○○屋」という屋号の商売はほとんどが自宅と店舗を兼ねていた。これには零細自営業ならではの、いろんな好都合な点がある。まず経済的な面では、店舗にかかる家賃がかからない。貸店舗の家賃を払い続けながら商売をするのと、自宅を店舗にするのでは採算効率が大きく異なっている。
たとえば、家族のみで経営する理容店や美容店は、倒産することはほとんどない。大きな仕入が必要な商売ではないため、腕に技術さえあれば、たとえ客が少なくても赤字で借金が嵩むということがないためだ。しかも店と自宅が同じならば、家族が家業を手伝いやすい環境ということもあり、人件費の負担が少ないことも好影響を与える。
それでも家族経営の店が次々と閉まっていくのは、借金苦による倒産というほどではないが、客の数が次第に少なくなって売上がジリ貧、自分も高齢になってきたことで、この辺が潮時と自ら廃業を決意するという話が多い。現代のように大型の店舗が当たり前になると、立地がよく駐車スペースがある場所に店を構えないと、新しい客を呼び込むことが難しい。そのため多店舗展開するチェーン企業に個人店舗は客を奪われてしまうという構図だ。気が付くと自宅店舗(店舗住宅)での開業件数はめっきり少なくなってしまった。
ところが最近になって「客を自宅に招いて高級サービスを提供する」という新形態が成長してきている。従来の店舗住宅と何が違うのかというと、家の中に店舗スペースを作るのではなく、自宅の応接間に大切なお客様を招くような雰囲気でサービスを提供するというものだ。
近頃では日本でも、仕事の大切な取引相手を自宅に招いたホームパーティを開くことで新たな商談に繋げるということが行われている。「自宅に招待する」というのは大切な人に対する最上級のもてなしであり、限られた相手でなければ招待してもらえない。それと同じ付加価値を、サービス業の中でも提供しようとすることが、自宅招待型のプライベートサービスへと繋がっている。
自宅に客を迎え入れるということは、その人に対して一般客とは違った特別な扱いをすることでもある。主人は客への最高のおもてなしを通じて、無言で「自分はあなたをVIPとして認めている」ことを相手に伝えている。相手は、普段ならば入りえないプライベートな場で最高の接待を受けたということで、大きな満足感を得られるだろう。それは最高のパーソナルサービスといえる。一方、その舞台裏として、自宅のスペースを高級サービス提供の場とすれば、じつはローコストで経営ができるのだ。
●飲食ビジネスにみる自宅レストラン開業の採算性
●一般的な飲食店の採算性について
●自宅レストランの採算例
●店の場所を非公表にした隠れ家的商売の動向
●隠れ家的な自宅店舗が成り立つ条件とは
●従来型店舗と隠れ家店舗における集客ルートの違い
●隠れ家店舗への集客を代行するオンライン予約機能の利用
●リアル店舗への集客支援をするオンライン予約業者の海外動向
JNEWS LETTER 2007.3.24
※アクセスには正式登録後のID、PASSWORDが必要です。
|
(副業・スモールビジネス)
/ (トップページ) / (JNEWSについて) |
|
|
|