日本では食品衛生法の規制により食品の無人販売が難しかったが、 その条件が緩和されたことで、無人コンビニや無人食品自販機などの営業がしやすくなった。それに伴い、ロボット型無人店舗の本格的な普及が見込まれている(JNEWSについてトップページ
規制緩和で容認される無人マイクロビジネスの攻略点

JNEWS
JNEWS会員配信日 2021/10/10

 国内のコンビニ業界でも、ファミリーマートやミニストップが、今後は無人店舗を増やしていく計画を打ち出している。これは、既存のコンビニ店舗を無人化するのではなく、これまで有人店舗としては採算が合わなかったニッチ商圏を開拓して、売り場面積が50平米前後のマイクロ店舗を黒字化させるビジネスモデルを目指している。

《無人店舗に適したマイクロ商圏》

・ガソリンスタンド
・オフィスや工場などの職場
・学校
・病院
・高齢者施設
・地方の駅や空港
・過疎地の住宅街


ファミリマートが開発する無人コンビニのイメージ

これらのマイクロ商圏が注目される背景には、店員常駐についての法規制が緩和されたことも関係している。従来、食品衛生法の中では、食品を販売する店舗では必ず食品衛生責任者を選任しなくてはいけない規定がある。それが、無人店舗にとっての足かせになっていたが、平成30年の法改正により、食品衛生責任者が店に常駐していなくても、食品の衛生管理が損なわれないことを確認できれば、法的要件を満たす、という解釈へと変わってきている。

具体的な見解として、厚生労働省の「HACCPに沿った衛生管理の制度化に関するQ&A」では、無人店舗や調理機能を有する自動販売機の場合、「食品衛生責任者が無人店舗又は自動販売機を巡回する等により衛生管理に当たることが可能です」と回答している。

HACCPに沿った衛生管理の制度化に関するQ&A

この規制緩和を根拠として、今後は無人コンビニや調理機能付き自販機の開発が活況になっていくことが予測される。先行例として、株式会社New Innovationsが開発したAIカフェロボット「root C(ルートシー)」は、顧客の嗜好に合ったコーヒーを淹れる調理機能付き自販機で、利用者はアプリを通じて時間指定の注文をした後、ロッカーに保管されたコーヒーを受け取ることができる。

この自販機のメンテナンスは、巡回スタッフが1日1回の頻度でコーヒー豆やミルクの補充と機械内部の清掃や点検を行う。さらに、内部に設置されたセンサーが温度の遠隔監視を行い、異常を検知した時には商品販売を中止できる機能を組み込むことで、食品衛生上の規制をクリアーしている。

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JNEWS会員レポートの主な項目
・餃子無人販売所の仕組みと採算構造
・冷凍自販機による無人直販ビジネス
・冷凍自販機の導入費用と運用コスト
・高齢施設に出店する古着の無人販売モデル
・無人販売における万引き、不正リスクについて
・不正率が少ない職域無人販売のスペース開拓
・成長する置きが菓子、置き社食サービスの仕組み
・職域を開拓する無人スーパーのビジネスモデル
・規制緩和で広がる無人マイクロマーケット
・駅に設置される無人コーヒーロボットの採算性
・補助金活用による無人販売機の導入モデル
・スーパーマーケットが業態転換するダークストア
・キャッシュレス決済と電子棚札で変わる未来店舗
・マイクロ商圏に導入されるヘルシー自販機の業界構造

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JNEWS LETTER 2021.10.10
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