歯科の治療で患者から撤去される冠や入れ歯に使われている金、銀、プラチナ、パラジウムなどの金属はレアメタルとしての換金価値がある。それらを専門に買い取る業者があり、歯科スクラップの専門市場が形成されている (JNEWSについてトップページ
歯科スクラップの買い取りによるレアメタル回収ルート

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JNEWS会員配信日 2021/7/8

 レアメタルのニッチなビジネスとしては、歯科で使われる金属の買い取り業も専門的なマーケットを形成している。歯科医院の治療では、患者から撤去する冠(クラウン)や入れ歯などから金属スクラップが生じるが、これらは金、銀、プラチナ、パラジウムのレアメタルが素材となっており、換金価値がある。

しかし、患者から撤去した金属が何の素材であるかまでを、歯科医院で正確に把握することは難しいため、医療廃棄物業者に引き渡して、ザックリとした売却代金を受け取っているケースが多い。

そこで、歯科スクラップの素材分析をして、時価相場で買い取るビジネスが全国的に増えている。彼らの収益体系は、判別された金属の種類に応じて1gあたり50~100円の分析料を徴収することと、それらの金属を地金相場の90~95%で買い取ることで成り立っている。実際の買い取り価格は、分析検査と回収した金属の精錬を自社で行っているか、外部業者に委託しているのかによっても異なっている。

《歯科スクラップのリサイクル工程》

たとえば、歯の詰め物や冠(クラウン)として一般的な素材で、保険適用金属として認められている12%金銀パラジウム合金(金パラ)は、金12%、パラジウム20%、銀50%、銅18%の含有率となっている。いずれの金属も相場が高騰しているため、患者から撤去された詰め物やクラウンが130g貯まると、現在の相場で約30万円の買い取り値が付いている。

歯科スクラップの買い取りビジネスは、地域の歯科医院を巡回して固定客としていくのが一般的だが、スクラップが軽量であることから、宅配便による全国買い取りをすることも可能な事業といえる。全国には68,000件の歯科医院があることから、レアメタル回収ルートとしての潜在規模は大きい。

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