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感染現場をクリーニングする特殊清掃ビジネスの業界構造

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JNEWS会員配信日 2021/5/2

 日本よりも感染拡大が深刻な欧州や米国では、感染者が出た職場や店舗を消毒するサービスが急成長している。作業を担当するのは「特殊清掃」のカテゴリーに属する清掃業者で、従来は、殺人、自殺、孤独死などの現場を清掃するのが主な仕事になっていた。

米国シカゴを拠点とする「Aftermath Services(アフターマス)」は、20以上の州で認定を受けている特殊清掃業者で、犯罪現場の清掃を警察、被害者の家族、大家などから請け負っている他、血液からの感染リスクが高い、B型肝炎、C型肝炎、HIVなどが死因となった病室や自宅の消毒、清掃サービスを行っている。

さらに昨年からは、新型コロナウイルスの感染現場となったオフィスや店舗のクリーンアップサービスも提供して、需要が急拡大している。コロナウイルスを殺菌するには、米国環境保護庁(EPA)に承認された特別な消毒剤(13品目)を使う必要があり、これらの薬剤を合法的に使用できる業者は限られているため、独占的な業務として依頼が殺到している状況だ。

Aftermath Services

新型コロナウイルスのクリーニング工程は、作業者が防護服を着用した上で、感染現場の消毒、ウイルスが再度付着しないようにするコーティング剤の塗布、証明書の発行という流れになる。

コロナ感染後のクリーニングを行う料金設定は、消毒清掃する床面積が1平方フィートあたり1~1.5ドルが業界相場となっており、日本円に換算すると3.3平米(1坪)あたりが、3800~5700円になる。売り場面積が300坪の店舗全体を消毒清掃すると、114万~171万円になる計算だが、食品を扱うスーパー店舗と、製造業の工場では使用する薬剤が違い、エアコンや換気扇の中までを消毒殺菌するのかによっても、実際の見積金額は違ってくる。

それとは別に、コロナ感染は起きていない段階で、予防的な消毒クリーニングのニーズも、商業施設やオフィスを中心に高まっている。こちらは感染後のクリーニングと比較して、3~5割安い価格相場が形成されているが、業者によっても効果の信頼性は異なっている。

■新型コロナクリーニングのニュース映像(英国)

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JNEWS会員レポートの主な項目
・拡大する自費PCR検査の業界構造
・出国者PCR検査センターの役割
・感染現場を消毒する特殊清掃ビジネス
・日本の特殊清掃業界について
・特殊清掃のフランチャイズビジネス
・感染予防で人気化する光触媒コーディングの問題点
・契約者が急増する感染対応医療保険
・旅行業界で導入されるキャンセル保険の開発商機
・旅行キャンセル保険の仕組みと先行事例
・ポストコロナで渇望されるアウトドアレジャー開発
・コロナワクチン接種で形成されるデジタルヘルス社会

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