コンビニや商業施設などでEV充電スタンドの設置件数が増加していることに伴い、新電力会社への契約乗り換えを営業代行するビジネスへのニーズが高まっている (JNEWSについてトップページ
EV充電施設向け新電力乗り換えビジネスの業界構造

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JNEWS会員配信日 2019/12/11

 コンビニや商業施設など、これからEVの充電スタンドを設置する施設にとって、電力会社に支払う電気代は、供給する商品(電気)の仕入原価にあたる部分になる。
しかし、既存の大手電力会社(一般電気事業者)と従来型の電力契約をすると、電気の仕入原価が高く、ほとんど粗利益も生じない状況になってしまう。そこで、電力契約の見直しをして、2016年から完全自由化された新電力会社に乗り換えると、電気代を数%から15%程度まで下げることが可能になる。

新電力会社の料金が安いのは、電力の調達から供給にかけて、従来の電力会社(東京電力や中部電力など)とは、法律的に異なる立ち位置にいるためである。

新電力会社は、地域内で電力供給の“義務”があるわけはないため、提示した料金プランに対して、了解が得られた相手に限定した取引をすることができる。そのため、大口の電力需要者向けには、電気料金の“定価”を決めずに、オーダーメイド型の料金プランを提示できるのが、新電力会社の強みになっている。

一例として、従来の電気料金は「基本料金+従量料金」によって算定されているが、新電力会社は、料金が毎月固定の定額プランや、逆に、基本料金を無くした「従量料金のみ」の料金プランを提示することも可能である。

充電スタンドの中でも、設置する場所や施設の業態により稼働率の状況は大きく異なっている。稼働率の低い充電スタンドは、毎月の基本料金が無く、従量料金のみの契約にしたほうが、設備の維持費を抑えることができるし、稼働率の高い充電スタンドでは、従量料金の単価を下げられる契約にしたほうが、電気の仕入原価を安くできるのだ。

今後は、コンビニ、レストラン、スーパー、ホームセンター、医療機関、企業の職場、マンション・アパートなど、戸建住宅など、様々な場所でEV充電スタンドの整備が進むことになるが、それを機会に、事業所や一般家庭でも電気契約の見直しは進むことになるだろう。そこに向けては、充電スタンド設置のコンサルティングと、新電力会社の営業代理店をセットにしたビジネスが成立する。

《新電力会社の代理店制度》

 新電力会社の代理店ビジネスは、個人の副業としても行うことが可能だ。契約を獲得した代理店に対しては、継続的に1~2%手数料が支払われるため、契約数が増えるほど、収入も積み重なっていくストックビジネスとしての魅力があるが、一般家庭の電気代は安いため、契約1件あたりの手数料は月額数十円程度で、大きな収入にはならない。

それに対して、店舗や工場などの事業所では、月額で数十万円から100万円以上の電気代を払っているため、新電力会社への乗り換えで、仮に電気代が5%軽減できるだけでも、大きな金額になる。たとえば、24時間営業をするコンビニ店舗は月額20~30万円、遊戯台が300台前後のパチンコ店では月額150~300万円の電気を払っている。

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