コロナによる百貨店の存亡危機と楽器店のハイブリッド販路
新型コロナ対策の外出自粛により、店舗や商業施設は来店者数が軒並み減少している。来店者と売上高には相関関係があるが、日本百貨店協会が集計した、全国百貨店(203店舗)、2020年4月の売上高は、前年同月比でマイナス72.8%と、壊滅的な打撃を受けている。商品別にみても、すべてのカテゴリーでマイナスという、百貨店存亡の危機にある。
経済活動の再開により、客足は少しずつ戻るだろうが、コロナ前と同じ水準にまで戻るとは考えにくい。他の小売店舗についても同様で、消費者が不要不急の外出を控える生活様式が続けば、「店に集客する」というビジネスモデル自体を変えていく必要がある。
打開策として考えられるのは、eコマースへの移行だが、店舗があることの強みを活かしつつ、オンラインにも販路を広げる手法が注目されている。そのヒントとして、コロナの非常事態宣言下で、店への来店客数が減少する中でも、楽器店の売上は比較的好調だった。これは、ステイホームでも楽しめる趣味として楽器の購入者が増えたことに加えて、楽器店の多くが「デジマート」のようなeコマース販路を併用していることがある。
デジマートは、インプレスグループ(9479)が運営する楽器・音楽機材専門のショッピングサイトで、全国の楽器店、約450店舗が出店して、トータルで30万点の在庫商品を掲載している。インプレスの決算短信によると、楽器店からの出店料や決済手数料によるデジマートの収益は、コロナの影響を受けた中でも前年と比較して6.1%伸びている。
ギターやベースなど楽器の購入客は、デジマートで在庫情報の検索をした後、そのままオンラインで注文するケースと、店舗に来店して試し弾きをしてから購入するケースがあるが、最近はオンライン注文の割合が伸びている。楽器店にしてみると、店内の在庫をeコマースでも販売できるため、コロナ禍で店舗を休業しても、売上はゼロにならない収益構造になっている。
このようなハイブリッド販売を進化させると、消費者が店内の様子を遠隔から随時チェックして、欲しい商品がある時のみ来店するか、オンラインで注文できるようにするのが、コロナ後の新たな生活様式にマッチする。それはVR(仮想現実)やAR(拡張現実)のテクノロジーによって、既に実現可能なものとなっており、中小の業者が安価な予算でもVRショッピング型のeコマースを立ち上げることは可能だ。
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■JNEWS会員レポートの主な項目
・店舗とネットに二分化する楽器店の収益構造
・自宅から仮想来店するVRショッピングの仕組み
・VRショッピングによるスーパーの買い物スタイル
・ストリートビューを活用したVRショッピングの方法
・Googleマイビジネスを活用したローカル店舗の集客
・Googleマイビジネスを利用する消費者の行動特性
・Google認定フォトグラファーとしての起業方法
・ストリートビュー撮影代行会社の営業手法
・VRコマースに移行する不動産ビジネスの動向
・VR内覧サービスを利用した大学生の新居探し
・VRコマースに適した商材と費用対効果について
・VR/ARテクノロジーで変革される不動産セールス
■この記事の完全レポート
・JNEWS LETTER 2020.5.27
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