日本ではスモールビジネスのM&Aとして開業医のクリニックと調剤薬局が売買対象になっている。クリニックの売買価格は院長年収の2~3倍が相場になっているが、施設が老朽化している場合には、それよりも安値で取引されるケースも多い。
開業医と調剤薬局を対象にしたスモールM&A

JNEWS会員配信日 2017/8/27

 日本国内のスモールビジネスで、売買市場が活発化している業種の筆頭は、医療や介護のカテゴリーになる。いずれも公的保険による報酬制度で収益基盤が安定しているため、オーナーが代わっても売上や固定客を引き継ぎやすいことが理由だ。

最近は、医療法人が複数のクリニックを分院展開することで、スタッフの採用を効率化させたり、医療機器や薬剤の購入コストを下げる経営手法が確立してきたことから、院長が高齢の診療所を買収して系列化する動きも加速している。それに伴い、会計事務所などが母体となった、第三者への医療継承を仲介サービスが全国的に広がっている。

クリニックの譲渡価格は、売上高(医業収入)から経費を差し引いた利益の実績をベースに交渉されることになるが、これは院長の年間所得に相当する。つまり「院長年収の何年分か」をみると、案件の優劣をおおよそ判別できる。

院長年収の1年分に相当する「1,000~2,000万円」で売りに出ている案件は、現院長が70代後半で高齢のため、既に患者数が減少して、院内の設備も老朽化しているケースが多い。その点からすると、第三者への医療継承は、院長の気力、体力が充実して経営状況が良好なうちにハッピーリタイアをしたほうが譲渡金額は高くなる。院長年収が3,000万円、その3年分なら「9,000万円」が営業権の譲渡金額だ。

《個人クリニックの経営指標(平均値)》

また、調剤薬局もM&Aの対象として人気物件になっている。院外処方箋を専門に扱う調剤薬局は、病院やクリニックに隣接した立地であれば、安定した売上が見込めるため、国の政策で医薬分業が進められた1990年代後半から急増した経緯がある。その7~8割は、地元の薬剤師が経営する中小の店舗だが、近年では薬価と調剤報酬の引き下げにより、利益率は下落してきている。また、ドラッグストアーでも調剤薬局を併設してきたことから、業者間の競争は厳しくなっている。
そうした状況から、中小の薬局が大手調剤チェーンの傘下に入る業界再編が加速している。

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