賃貸アパートの家賃保証制度は、保証人無しで入居できる便利さがある反面、家賃が未納になった時の対応で問題が指摘されている。家賃保証業界の競争は厳しく、審査基準を下げて安い保証料で契約世帯を増やす構造になっている。
不動産業界で普及する家賃保証ビジネスの問題点

JNEWS会員配信日 2016/12/20

 アパート大家にとって最も気が重いのが、家賃を滞納する入居者への対応である。最近では、親族が連帯保証人となる代わりに、家賃保証会社を使う賃貸契約が主流になっていることから、延滞された家賃は弁済してもらえる。地域によっても偏りがあるが、賃貸契約の6~8割が家賃保証会社を通したものだ。しかし、この仕組みにも欠点がある。

家賃保証会社の仕組みは、月額家賃の約50%を初年度の保証料として入居者から徴収する。翌年以降は、更新保証料として、1~2万円を徴収することで、家賃の延滞が発生した場合には、大家への弁済をするものだ。

一見すると、大家と入居者の双方にとって便利な仕組みにみえるが、問題の起点は、入居者から徴収する「保証料が安すぎる」ことにある。賃貸の入居者は、高額の保証料を払える余裕が無いことと、家賃保証業界の競争が激しくなっていることが背景にあるが、統計データでみれば、家賃の延滞率は平均で5%近くある。

それを、月額家賃の約半額で保証するには、やや無理があり、保証会社の採算面でもギリギリだ。


  ※出所:日本賃貸住宅管理協会

そのため、1ヶ月でも延滞が生じると、保証会社は厳しい督促をして、支払う余裕が無い入居者は早々に退去させてしまう。そのやり方が強引なことから、社会問題にもなっている。保証会社は、入居時の審査基準を高くすれば、延滞率を下げることができるが、それでは、底辺の顧客を逃してしまうことになるため、「審査は緩く、督促は厳しく」が、この業界の慣習になっている。(この内容はJNEWS会員レポートの一部です。正式会員の登録をすることで詳細レポートにアクセスすることができます記事一覧 / JNEWSについて

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JNEWS LETTER 2016.12.20
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