SNSなどで旧友の消息が掴みやすくなったことで、同窓会市場が成長。ホテル業界では、結婚式や企業の宴会需要が減退していることから、定期的に開催される忘年会向けのプランを新たな主力商品にしたいと考えている。
盛り上がる同窓会市場と幹事代行サービスの採算

JNEWS会員配信日 2016/1/16

中学、高校、大学などの「同窓会」に関連した市場は、日本でも盛り上がりをみせている。背景にあるのは、ソーシャルメディアの普及で、同級生の消息が掴みやすくなったことと、40代~60代にかけての層が厚くなってきたことがある。

この世代は、仕事や生活にも余裕ができ、学生時代の旧友と再会したいと思い始める頃で、数十年ぶりの再会を果たすことで、その後の付き合いが復活する。卒業してから数十年ぶりに開催した同窓会が盛り上がることで、以降は、年に1回程度のペースで同窓会が継続するようになる。この傾向は、震災が起きた2011年頃から顕著になってきている。

ホテル業界では、そうした動向を商機と捉えており、宴会場の「同窓会プラン」を商品化するケースが相次いでいる。従来の主力イベントだった結婚式と比べて、同窓会は参加人数も多く、リピート開催が見込めるため、ホテル業界にとっての新たなドル箱商品となる存在だ。

同窓会の参加者は、現在の連絡先がわかり、案内を送付した人数に対する割合(平均で3~4割)となるため、幹事の役割が重要になってくる。そこに向けては、幹事代行サービスが全国的に広がっており、参加者が支払う当日会費の中から、手数料を差し引く仕組みになっている。



レストランの会食予算を一人5千円に設定し、当日会費として8千円を徴収すれば、幹事代行業者の粗利益は「一人3千円×参加人数」になるが、同窓会当日までにかかる作業として、同級生リストの整理、案内状の作成と送付、出欠管理、当日の受付や司会などの経費を差し引くと、それほど儲かるビジネスとは言えない面がある。

同窓会マーケットの本質は、宴会やパーティを開催するだけではなく、卒業生のキャリアに役立つ人的ネットワークを充実させることであり、そこに関わるビジネスを考えたほうがよい。(この内容はJNEWS会員レポートの一部です。正式会員の登録をすることで詳細レポートにアクセスすることができます記事一覧 / JNEWSについて

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JNEWS LETTER 2016.1.16
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