JNEWS会員配信日 2015/6/22
日本国内では、漁業で生計を立てている漁師が約17万人いるが、平均所得は、沿岸漁業で年間200万円を切るところまで落ち込んでいる。このままでは、若者が漁師の仕事に興味を示しても、生計を立てていくことが難しい。この収益体質を改善しなくては、日本の漁業を再生していくことができない。
漁業が低所得になっている要因は、個人経営の漁師が全体の95%を占めていることや、収穫した魚を市場で売却する際に、高い手数料を払っていることも関係している。
野菜などの青果と比べても、魚の流通経路は複雑になっているため、漁師が出荷する値段と、水産市場を経由して、切り身などに加工されて消費者に販売される小売価格とでは、4倍〜5倍の差が生じている。つまり、漁師が1キロあたり250円で出荷した魚は、消費者の食卓に届くまでには1,000円以上になる。
水産物の流通マージンが高いのは、流通経路中の温度管理がシビアなことや、魚を捌いて、切り身などにする加工コストが高いためだ。それ以外でも、水産業界は昔ながらのローテクな業界で、今でも業者間の受発注には、電話やファックスが主に使われており、非効率な部分が多ため、ITによって改善できる余地は大きい。
漁師の年間所得が「200万円前後」というのは統計上の平均値だが、漁師によって所得格差は大きく、ネットを使いこなせる脱サラ漁師の中では、年収で1千万円に届く人達も出てきている。彼らが実行しているのは、既存の流通ルートを短縮化して、収穫した魚をエンドユーザーに販売することである。(この内容はJNEWS会員レポートの一部です)
■JNEWS会員レポートの主な項目
●脱サラしてプロ漁師になるための方法
●なぜ日本の漁師は低所得なのか?収益構造の分析
●高収益化を目指す漁師の産直ビジネス
●鮮魚流通を変える産直プラットフォーム
●国産水産物を海外に輸出する未開拓市場
●中国消費者向けの越境EC市場の参入点
●安全野菜を求める消費者から支持される生鮮品宅配の採算
■この記事の完全レポート
・JNEWS LETTER 2015.6.22
※アクセスには正式登録後のID、PASSWORDが必要です。
※JNEWS会員のPASSWORD確認はこちらへ
■この記事に関連したバックナンバー
●世界の食料不足に備えたアーバンファーム(都市農業)への着目
●安全な野菜を求める消費者から支持される生鮮品宅配の採算
●安全な野菜を産直販売するコミュニティ農業(CSA)の台頭
●家庭菜園を進化させた自給型農業の普及と支援ビジネスモデル
●有機農業ブームを追い風に成長するミミズ飼育のサイドビジネス
|