儲かる商売の裏側
  
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  日本の株式市場は、海外からの投資(ヘッジファンド等)が7割近くを占めている。その中で、国内の個人投資家が勝てっている確率は低いのが実情。日本の投資家は、外国人とは反対の、逆バリ投資を好む傾向がある。
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個人投資家を熱狂させる仕掛けを生み出す
トレード業界の裏側
JNEWS会員配信日 2013/4/13

 ヘッジファンドと直接取引をすることの無い、一般個人の投資家も、サクセスストーリーを耳にすれば、株式や為替のトレードを行うようになり、できることなら、トレードを専業として生計を立てていきたいと考える人もいる。「投資部門別売買シェア」からもわかるように、日本の株式市場でも、売買シェアは、法人(10.1%)よりも、個人(20.1%)のほうが上回っている。

いまでは、個人でも自宅で本格的なトレードができるようになってきたが、実際のところ、どれくらい儲かっているのかについては、学術的な研究テーマにもなっている。

カリフォルニア大学の教授が、米国で6万人の個人投資家を調査したところでは、8割の人達が、プラスのリターンを得ることができずに資金を失っており、その傾向は、頻繁に取引をする人(デイトレーダー)ほど顕著に表れている。それは、取引を重ねるほど、取引手数料などの負担が大きくなるためだ。他の研究でも同様の結果が出ており、それは米国だけでなく、他国の投資家にも共通している。

しかし、個人の投資家は、どうして資金を増やしていくことができないのか?その答えは、以下のように説明することができる。

投資会社に勤めるプロのトレーダーと、ホームトレーダーとの決定的な差は、「他人のお金で投資をするか」「自分のお金で投資をするか」の違いだ。

他人の資金を集めて投資する方法であれば、損が出た時のリスクは出資者が負うことになり、トレーダー本人の金銭ダメージは生じないが、投資に成功した時には、巨額のボーナスを受け取ることができる。それにより、プロのトレーダーは「ローリスク・ハイリターン」の収益モデルを築いている。

一方、ホームトレーダーは、自分の資金を投じるため、失敗した時のリスクと、成功した時のリターンが同じバランスだが、リターンの中からは取引手数料や税金が差し引かれるため、長期のスパンでみれば、資金が目減りしていく確率のほうが高くなる。これでは、ビジネスモデルとして成り立たない。

この特性からすると、プロのトレーダーでも、投資会社を辞めた後に、自分の資金を運用して生計を立てていくのであれば、「アマチュア」と同じ扱いになる。

 

昔の投資は、優良企業の株を何十年にもわたり保有していれば、株価の値上がり+配当により、資産を増やすことができたが、いまはヘッジファンドが得意とするような、ロングとショート(空売り)を組み合わせるトレードが主流になり、値動きが乱高下して、安定したリターンを得ることが難しくなってしまった。そこに気付いたファンド出身者の一部は、新たなビジネスを立ち上げるようになってきた。


この記事の核となる項目
 ●ヘッジファンドの意外な投資実績
 ●ヘッジファンドの収益構造と運用利回りの関係
 ●ファンドマネージャーの虚像と実像
 ●ホームトレード専業の生活は成り立つか?
 ●熱狂するデイトレード業界の裏側
 ●金融ビジネスの表舞台に踊り出るクラウドファンディング業界
 ●一夜にして「お金の価値」が崩落する通貨の特性と金融政策
 ●格差社会が誘発するデモ活動の背後にある富の独占システム
 ●ゲーム理論で動く才能集団の利害関係に基づく協業ビジネス
 ●資産運用の指南で年収2千万円の花形職業が生まれる背景
 ●希薄化する通貨マネーからゴールドへ回帰する資産の潮流


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