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クレジットカードのポイント特典は
誰が払っているのか?
written in 2008/3/30

 日本は米国に次いで世界第二位の豊かな国と言われているものの、それを実感している人はどれくらいいるだろう?欧州に友人のいる人なら、彼らを日本の自宅に招いてみると、その狭い室内や置いてある家具のグレードの低さに、驚いた表情を一瞬でも見せるかもしれない。彼らの暮らしぶりは YouTubeに投稿された映像からも確認することができるが、日本人の生活環境が特に優っているとは言えないことに気付くはずである。

統計的にみた“豊かな国”の基準にはGDP(国内総生産)が使われることが多が、「国民一人あたりの豊かさ(国民一人あたりのGDP)」で比較すると、日本は18位まで転落してしまう。ではどこの国民が豊かなのかといえば、欧州の小国が上位を独占している。

《世界の一人当たり国内総生産(名目GDP)2006年》

 1位:ルクセンブルグ(46万人) ……89,840ドル(961万円)
 2位:ノルウェー(468万人)   ……71,857ドル(768万円)
 3位:アイスランド(30万人)  ……53,446ドル(571万円)
 4位:スイス(746万人)     ……51,306ドル(548万円)
 5位:デンマーク(543万人)   ……50,791ドル(543万円)
 6位:アメリカ(2億8,142万人) ……43,801ドル(468万円)
 7位:スウェーデン(917万人)  ……42,264ドル(452万円)
 8位:オランダ(1,636万人)   ……41,020ドル(438万円)
 9位:フィンランド(528万人)  ……39,796ドル(425万円)
 10位:イギリス(6,059万人)   ……39,573ドル(423万円)
  ・
  ・
 18位:日本(1億2,776万人)   ……34,252ドル(366万円)

 ※出所:国民経済計算確報(内閣府)
 ※順位はOECD加盟国中のもの

この中でもルクセンブルグは1990年代からトップの座を維持している。人口が日本の地方都市にも及ばない小国が、なぜ“世界一豊かな国”を持続できているのかといえば、国の経済が金融ビジネスで成り立っているためだ。同国はタックス・ヘイブン(租税回避地)としても知られていて、世界から投資会社や銀行が集まっているために、少数の国民が十分に潤うだけの収入が得られるのだ。他の小国でも、一人当たりGDPが豊かな国では、ほとんどが金融ビジネスに力を入れて、世界の大企業や富裕層を誘致している。小さな国が潤うためには、広大な土地や人(労働力)を必要としない金融ビジネスを手掛けることが最も手っ取り早い。

一方、モノ作り信仰が強い日本では、汗を流さずに株や金利で稼ぐ金融業に対して“不健全”といった印象が根強く残っている。その価値観もわからないではないが、日本も国土が狭くて人口の減少が加速していることからすると、ただ「モノを作って売る」というだけではジリ貧になっていくことは避けられない。それは企業の経営にも言えることで、ビジネスモデルのどこかで金融的な視点を盛り込むことが収益性を高める鍵になる。それがエスカレートしすぎると「本業が何屋かわからない」ということになってしまうが、コンビニ業界のように便利な金融サービスを手掛けて消費者から支持されている例もある。

ちょうどその折り、消費者向けの金融サービスに対して総量規制がかかる見通しが濃くなってきた。これは自己破産者を増やさないための措置で、ローン利用者に年収の三分の一以上の額を融資できないように法律で規制をかけるというもの。消費者金融業者の他にカード会社にも適用されるため、消費者は気軽に何でもクレジットカードで買い物をすることができなくなる懸念がある。これは小売企業にとっても深刻な問題で、従来のように「お支払いはカードで」という常套句が使えなくなるとすれば、どうすればよいのだろうか?それを考えていくことにしよう。
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この記事の核となる項目
 ●借りた金を返さない消費者ローンの信用不安
 ●クレジットカード会社の収益構造
 ●クレジットカードのポイント特典は誰が払っているのか?
 ●コンビニ業界が小売業からシフトする金融屋の商売
 ●コンビニに設置されたATMのビジネスモデル
 ●モノをお金に置き換えた金融ビジネスの本質
 ●現金商売を狙った釣銭両替の宅配サービス
 ●眠った小銭で新たな買い物をさせる両替ビジネス
 ●新時代のお金、電子マネーの両替ビジネス
 ●電子マネーの送金機能した換金サービス
 ●ネット社会に対応した電子金融時代の幕開け
 ●米国のATM業界に学ぶ自販機オーナービジネスの業界構造
 ●ゲームをすることが"仕事"になる仮想世界の通貨システム
 ●無意識に財布の紐を緩めさせるキャッシュレス決済の法則


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JNEWS LETTER 2008.3.30
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