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衛星予備校のビジネスモデルと
ネットカフェの意外な接点
written in 2008/6/2

 大学に通うといえば、自然に囲まれた広大なキャンパスでの学生生活を思い浮かべるものだが、近頃ではオフィスビルの中にある大学や大学院も増えている。1980年代には都内の大学が、教育にふさわしい環境と広い敷地を求めて、郊外にキャンパスを移す動きがみられたが、2000年頃からは逆に都心への回帰がみられる。これには少子化による学生数の減少が影響していて、新たな教育のターゲットとして社会人に目を向けているためである。

オフィスビルにある大学は“サテライト教室”または“サテライトキャンパス”と呼ばれるもので、日頃は仕事をしている社会人が夜間や週末の時間を利用して通学しやすいように、交通の便がよい駅周辺などに設置しているものだ。一見すると民間の資格スクールか受験予備校のような体裁だが、それでも歴とした大学であり、本校キャンパスと同じ講義が受けられるようになっている。

それを可能にしているのが、最新のテレビ会議やeラーニングのシステムで、教授陣がサテライト教室へ出向けない場合には、遠隔からの講義が受けられる体制が整っているのだ。これからの大学教育は、学生に遠方から通学してもらうよりも、大学のほうが各地にサテライト教室を設置して学生との距離を縮めていくことがテーマだ。それなら、自宅でパソコンに向かって講義を受けられるのが最も便利ではないか?という意見もあるが、教育で大切なのは講義の内容ばかりでなく、クラスメイトや講師と交流することで、勉強への関心や意欲を高められる点も大きい。その意味では、eラーニングのような最新の遠隔教育と、リアルな教室とが融合した教育施設はこれからの普及が見込まれている。

またビジネスの現場でも、ビデオ会議のシステムを使って本社と地方の支店を結んだ打ち合わせや、取引先との遠隔商談も行われるようになってきた。簡単なビデオ会議ならパソコンにライブカメラを付けるだけでも可能だが、複数の拠点(支店)から会議に参加できるようにしたり、会議中の資料データを共有したり、さらに会議の内容を傍受されないようなセキュリティ対策などを考えると、本格的な設備の導入に数百万円以上の費用がかかる。ところがそこまでしても、回線速度や通信技術の進化によって、設備はすぐに陳腐化してしまうのが難点だ。それを考えると、社内でビデオ会議をするための高度な環境を整えなくてもよいように、必要な時にだけ時間単位で借りられる“貸しビデオ会議室”のようなサービスがあってもよい。

メールやWebにアクセスするだけなら、オフィスや自宅の安価なパソコンでも十分だが、音声や映像データなども交えてバーチャルリアリティに近いことをしたいと考えるようになると、それに応じた専用の設備が用意されたスペース貸し業が成り立つようになる。じつはそれを既に利用しているのがゲーマー達の世界で、彼らの動向からは、教育やビジネスの現場で応用できる商機を読みとることができるが、その先にみえるのは、教室やオフィスの新しい方向性とネットカフェの意外な接点である。
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この記事の核となる項目
 ●ゲーマーはなぜネットカフェに通うのか?
 ●ゲーマーに依存するネットカフェの経営体質
 ●ゲーム会社とネットカフェの提携ビジネス
 ●エコビジネスとして浮上するビデオ会議室のレンタル事業
 ●収益化が狙える遠隔セミナーの可能性
 ●受験予備校から学ぶ遠隔教育のビジネスモデル
 ●通信教育ビジネスを成功させる“教室”の役割
 ●衛星教室〜ラーニングセンターへの発展形
 ●ラーニングセンターによる遠隔教育の仕組み
 ●生徒は増えるのになぜ英会話スクールは儲からないのか?
 ●試験が電子化される時代のテストセンター施設と電子教材市場
 ●遠距離でも"師匠と弟子"の関係が築けるeコーチビジネス


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JNEWS LETTER 2008.6.2
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