|
宝くじ業界の販売システムから学ぶ 代理店ビジネスの死角 |
written in 2006/9/1
今年の9月より酒の販売が全面自由化された。これまでは地域内にある酒店の数によって新規の出店に制限がかけられていたが、今後は販売免許の取得も容易になって小売店では簡単に酒の販売ができるようになる。これによって消費者は最寄りのコンビニなどでビールやワインの購入が便利になる反面、これまで規制によって守られていた小規模の酒屋では、そのままの商売を続けているだけでは経営が成り立たなくなってしまうことは必至と言われている。
酒屋に限らず世の中には、販売免許や営業許可、特別な代理店資格などによって既得権益が守られている商売というものがたくさんある。それらの規制によって新規出店者の参入が阻まれる一方で、いち早くその“利権”を獲得した業者は長年にわたって優先的な商売をすることができた。
いつの時代にも、その時流に沿った“魅力的な商売”は存在しているものだが、他人よりも一歩早いタイミングでその利権(販売資格や営業許可、代理店権など)を獲得することも商売人の才覚としては重要。そして時代が変われば、また新たな分野の利権に目を向ける変わり身の早さも商売人にとって大切な資質といえる。
たとえば、宝くじ販売店もその中の一つ。年末ドリームジャンボの頃には販売店の前に長蛇の列ができている光景をみかけるが、年間の宝くじ販売高は約1兆円にもなる。ひと昔前に宝くじ販売の利権に着目して、その販売資格を獲得した業者の中では財産を築いた人も多いと聞く。しかし、宝くじの販売ルートも時代と共に変化していて、最近では銀行のATMからでもロトやナンバーズなど、数字選択方式の宝くじが購入できるようになってきたことから、宝くじ販売店の経営も過渡期を迎えている。
(儲かる商売の裏側一覧へ)
●夢を売る宝くじ販売店の裏側
●宝くじの流通経路と収益構造について
●宝くじ販路の再編と電子販売市場へのシフト
●ATMで宝くじを販売する仕組みと利点
●時代の波に淘汰されていく宝くじ販売店
●ギャンブルの賭け率をビジネスへと応用する儲けの期待値
●ビジネスで大負けしないための勝敗確率と勝ち逃げ理論
JNEWS LETTER 2006.9.1
※アクセスには正式登録後のID、PASSWORDが必要です。
■この記事に関連したバックナンバー
●海外カジノ業界が日本市場を狙う理由と既得権益との攻防
●個人投資家を熱くさせて手堅く稼ぐ投資運用会社の収益構造
●"太く短く稼ぐ"か"細く長く稼ぐ"の違いで変わる蓄財術
●宝くじ業界の販売システムから学ぶ代理店ビジネスの死角
●独占的な権利と営業力で躍進する広告代理店ビジネスの構造
●アフィリエイトで形成する販売代理店網の特徴と成果の考察
|
|
|
|