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  いまではペットの購入先が店からネットへと変化している。生き物を扱うペットビジネスは、展示をする必要がないネットのほうが販売しやすいためだが、その背後には脱サラ希望者に対してペット起業を進める業界構造が成り立っている。
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ペット起業希望者を巧みに操る
オンラインペット販売のカラクリ
written in 2006/3/19

 個人の独立起業テーマとして人気が根強いものに「ペット関連ビジネス」がある。ペット好きな人であれば、かわいい犬や猫に囲まれた仕事に憧れる気持ちはわかるはずだ。以前ならば、ペットショップを開業するのに相応の資金力が必要であったが、最近ではペット販売の主力が“店舗”から“ネット販売”へと移行しているため、個人からの起業がしやすくなっている。実際に環境省の調査においても、ペット販売業者の6割は個人事業者となっている。

そんな背景もあり、現在ではネットでペット(主に犬)を販売するオンラインショップが急増している。その形態は、従来のペットショップのように在庫(生後間もない子犬)を仕入れて販売するというよりも、全国のブリーダーと提携する形で無在庫販売する方法が圧倒的に多い。素人がペット販売を始めるにあたってはペット業界の流通構造や仕入れのコネを作る必要があるが、最近ではそのノウハウを教える開業スクールやフランチャイズ企業も登場して、個人の独立希望者を対象にオンラインペットショップを量産しているような状況だ。

しかしそこには深刻な問題点が潜んでいる。そもそも、生き物である子犬は工業製品とは異なるために、安定した商品(子犬)の供給などできないはずである。ところが現実には、テレビCMでチワワが流行して需要(チワワを飼いたいという人達)が増えると、それに応じてチワワが大量に生産(繁殖)されているような状況がある。人気の犬種になると「作れば作るほど売れる」という社会現象が起こるため、生産者側はあたかも工業製品のように“売れ筋の犬”を量産しているのが国内ペット業界の特徴。その販路としてペット起業を夢見る個人の開業希望者が巧みに利用されているのだ。

翻って、欧米におけるペットビジネスでは日本とはまったく異なる様相を示している。ペット販売事情の内外格差を調べると、そこには意外とも思われるペットビジネスの肝が見出せる。そこから“本当に犬好きの人”がペット業界で起業するにあたって注意すべき点、着目すべき点が何かを探ってみたい。
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この記事の核となる項目
 ●国内ペット業界における偽ブリーダーの存在
 ●ペット業界の従来型流通ルート解説
 ●繁殖業者直販型への向かう国内ペット流通
 ●ブリーダー直販(代行)型のペット流通経路
 ●本物のブリーダーと繁殖業者の見分け方
 ●ビジネスとしては行わない欧米のブリーディング動向
 ●事業としては儲からない本物のブリーディング
 ●ケアサービスを主軸に考える欧米ペット業界における新ビジネス
 ●ペットの糞の始末に着目した新ビジネス
 ●自分の足で築くペット人脈と情報網の強み
 ●愛玩動物から家族へと進化するペットビジネス攻略の視点
 ●巨大ペット市場の中で求められるペットポータルサイトの役割
 ●ペットの家族化によって拡大するペットヘルス関連市場への着目


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