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  いま日本国内で人気が高い国際資格の一つに「米国公認会計士(CPA)」が ある。CPAは米国の各州が認可する公認会計士資格であり、企業の監査業務や 財務諸表の作成を主に行なう会計のスペシャリストとして知られている。しかしその裏側では巧みな資格商法が隠れている。
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資格取得ブームの裏で下落する
資格の価値と崩れる資格商法
written in 2005/5/18

 いま転職者や独立希望者達の間で人気が高まっているものに「国際資格」の取得がある。これまでの人気資格といえば、日本政府のお墨付きがある国家資格が主流であったが、近年ではビジネスマンに国際的な感覚が求められるようになってきたことから、欧米で知名度の通ったビジネス資格を取得しておくことにより、日本国内でもライバル達に差がつけられるという思惑があるようだ。国際資格を取得するための通信講座やスクールも多数登場して、関連の教育市場が拡大している。

ただし「国際資格」というのは俗称で、正しくは海外の自治体や業界団体が認定しているビジネス資格である。これらの国際的な資格が日本で人気となっている背景には、“これから有望”と推測される海外の資格をいち早く日本のビジネスマンに情報提供して、資格取得を促すスクール業者の仕掛けがあるのも事実だ。

もちろん、資格は信頼できる州政府や団体によって発行されるものであるため、取得して損はないものの、「この資格さえ取れば独立できる」というような過度の期待をすると、大きな肩すかしを喰うことになる。日本政府が発行する国家資格とは異なり、国際資格(主に米国の資格)は、日本で独占的業務を行なうための武器としては使えない。また、日本と米国では「資格」に対する価値の重さも異なっている。

日本の国家資格は、総じて合格率が低く難関である反面、その資格を取得すれば少数派のスペシャリストとして安定した職に就くことが期待できる。一方、米国では各州が認定する公的資格でも、「できるだけ多くの受験者に資格を取得させ、スペシャリストを増やすことで関連の業界(市場)を盛り上げる」ことを目的としている。その違いを理解しないで、日本人ビジネスマンが流行している米国資格の取得に走ると、仕掛け人であるスクール業者の“思う壺”にはまってしまうことになる。
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この記事の核となる項目
 ●人気国際資格「米国公認会計士(CPA)」の裏側
 ●CPAを日本に普及させたスクール業者の商法
 ●試験のオンライン化で低下する資格の価値
 ●資格の人気化〜衰退のライフサイクルについて
 ●日本でも変化する国家資格に対する価値観
 ●ネットが脅かす国家資格者の独占業務と柔軟な生き残り策
 ●スペシャリスト人材育成の鍵を握る資格認定ビジネスの将来性
 ●試験が電子化される時代のテストセンター施設と電子教材市場
 ●海外の人気資格を日本語化して普及させる資格認定ビジネス


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