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音楽業界の大富豪を生み出す
版権投資ビジネスのカラクリ
written in 2003/11/22

 マイケル・シャクソンが少年への性的虐待容疑で逮捕されたニュースは世界中に衝撃を与えたが、彼が住む自宅を兼ねた娯楽施設「ネバーランド」の広大さに驚いた人は少なくないだろう。現在では多額の借金を抱えているとも報じられているマイケルだが、これまでに築いた資産は 270億円を超えるというから驚く。

確かに過去には「スリラー」などの大ヒットにより、史上最高の5千万枚というアルバム売上記録を打ち立てたものの、ただアーティストとしての活動だけではそこまでの資産を築くことは難しい。ファンの間ではよく知られていることだが彼はアーティストとしての顔をだけでなく、音楽版権ビジネスを手掛ける事業家としての、もう一つの顔がある。

マイケルはビートルズが生み出した楽曲の版権を所有する音楽出版会社を過去に買収して、自分のものとしているため、ビートルズのCDを発売できる権利を独占的に持ち、また世界中のテレビやラジオでビートルズの曲が流れるたびに、彼の懐には多額の著作権料が自動的に入ってくるという収益モデルを確立しているのだ。ビートルズの版権だけでも4〜6億ドルの価値があると言われているが、その他にエルヴィス・プレスリーの版権も一部所有していたりと、有名アーティストの版権に対して積極的な投資をおこなって現在の資産を築いた。


この記事の核となる項目
 ●有名アーティスト達の間に広がった版権投資ビジネス
 ●巨額の著作権収入を生み出す音楽出版会社の仕組み
 ●音楽の版権が生み出す収益の種類
 ●音楽著作権にみるライセンス管理ビジネスの仕組みとチャンス
 ●国内音楽業界の構造と音楽流通の仕組み解説


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