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デジタル社会における名義貸し問題と “なりすまし”型の犯罪
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written in 2003.8.2
古くから“名義貸し”という裏取引がある。契約書や申請書などに必要な署名や印鑑だけを貸して報酬を受け取るというもの。もちろん違法性の高い取引であるが、意外と身近でもおこなわれている。
例えば、薬局で医薬品を販売するにあたっては薬剤師の配置が義務づけられているが、多店舗展開するドラッグストアーでは各店舗毎に薬剤師を雇う必要がある。しかし自己の都合でその薬剤師が急に辞めてしまった場合など、次の薬剤師が正式に決まるまでの期間は、薬剤師資格を持つ人に名義だけを借りるといったケース。また農地を購入する際には、農業を営んでいることの「買受適正証明書」が必要になるが、この資格を農家から借り受けるケースなど。また近頃では国会議員の秘書給与詐欺がニュースで報じられたが、これも名義貸し(借り)による犯罪である。
この名義貸し(個人の資格貸し)に関連した取引は、インターネットの普及によってさらに深刻化していきそうな気配がある。オンライン上のサービスでは契約ユーザーであることの確認をユーザーIDとパスワードによっておこなうのが一般的だが、その「IDとパスワード」を有償で譲り受ければ簡単に“契約者本人”なりすますことができてしまう。架空名義でサービスを利用したい場合には、他人のユーザーID、パスワードを盗むのでなく“購入”すればよいわけだ。そのための裏マーケットというのは着実に成長している。
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JNEWS LETTER 2003.8.2
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