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発行部数を伸ばすだけでは儲からない
無料情報誌(紙)の採算性
written in 2003.1.23

 街を歩くと「ご自由にお取りください」と書かれた、無料の情報誌(フリーペーパー)が増えていることに気付く。かつては、紙媒体の分野では「情報誌は買うもの」という常識があったが、ベンチャー的な取り組みとして1社が無料情報誌を発行すると、それに追随して類似のフリーペーパーが複数現れるという状況にある。

フリーペーパーの利点は、有料誌よりも遙かに早いスピードで大量の読者を獲得して情報を広く伝えられる点にある。その「発行部数」を武器にして、企業または個人に対して広告枠を売るのが狙いだ。

ところがビジネスとして「フリーペーパー発行事業」を考えた場合の採算性というのはかなり厳しい。フリーペーパーの収益源は、ほぼ 100%の比率でスポンサーからの広告掲載料に依存しているが、近年の不況の煽りを受けて広告掲載依頼が急速に落ち込んでいる。広告収入が落ち込めば、印刷費用さえ賄うことが難しく、定期的に発行を続けるとができなくなってしまう。フリーペーパー事業を成功させるためには、ただ単に「発行部数の拡大」を追求するのではなく、特定の分野に絞り込まれた読者層に支持される情報誌としての質を維持しつつ、部数を伸ばしていく必要がある。



 ●フリーペーパー発行事業の採算構造
 ●広告収入の受注量に業績が左右されるフリーペーパー発行事業
 ●クライアントの固定化が期待できる無料情報誌の分野
 ●地域ポータルサイトの収益源となる不動産サイトのB-to-B戦略



JNEWS LETTER 2003.1.23
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