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市場の拡大に逆行して淘汰されはじめる
運転代行業界の先駆者
written in 2002.12.10

 忘年会シーズンに入って特に活気づいているのが「運転代行サービス」である。運転代行業は飲食店などで酒を飲んだマイカー客を、客自身に変わって運転代行して、客と自動車とを自宅まで届けるサービス。代行ドライバーが二人一組となって一台の車両(代行車)で活動をするものだ。

昭和50年頃からタクシー業界のすき間を狙った“ニュービジネス”として登場したが、現在では1500社以上の業者が全国にあり、一つの“市場”として認知されるまでに至った。2002年6月に施行された改正道路交通法によって、飲酒運転に対する罰則が強化されたことから、運転代行の利用客は昨年の2〜3倍に増えている。

ところが運転代行市場が大きくなりすぎたことによって、いままで稼いできた既存の運転代行業者達は、存続の危機に瀕している。「運転代行業」は、これまでは特に法規制が整備されていなかったために、タクシー業界のように認可を受ける必要もなく、比較的簡単に開業することができた。しかし、市場が拡大(利用者が増加)を続ける中で、いつまでも運転代行業者を野放ししていくわけにもいかないと、「運転代行業法」が改正道路交通法と同じタイミングで施行されたのだ。この法律によって、運転代行業者は適格な条件をクリアーして、各都道府県公安委員会の認定を受けることが必要になった。

適格条件の中で、特に高いハードルとなるのが「二種免許非保有者の運転禁止」の項目。つまり今後の運転代行業では、ドライバーに対してタクシー業者と同じように二種免許を取得させるか、二種免許を既に持っているドライバーを雇わなければならない。しかし現実には、代行ドライバーの大半は、昼間は他の仕事をして、夜間のみ運転代行をするアルバイト・ドライバーであるために、彼らに対して二種免許を取得させることは事実上は不可能と言われている。



 ●これまでの運転代行業界の仕組み
 ●タクシー業界が運転代行市場を奪取する動向
 ●規制と闘う運転代行業界の不安
 ●規制緩和で変わるタクシー業界の新ビジネスとIT化の波



JNEWS LETTER 2002.12.10
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