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生命保険業界にみる
歩合給外務員の営業戦術と実力主義の弊害
written in 2002.11.27

 「有能な社員ほど高い報酬をもらうべき」という発想から基本給を抑えて能力給の比率を高めようとする企業が日本でも増えている。特に営業部門では社員(営業マン)の成績が契約獲得高で把握できるために、営業成績に応じた歩合給制度の導入が進んでいる。

会社側の立場で考えれば、この方式なら実績に応じた一定割合を報酬として支払えば良いために、成績の上がらない営業マンに対して無駄な人件費を費やす必要がなくなる。日本に上陸する外資系企業では、国内の大企業をリストラされた人達を大量雇用して営業体制を整えているが、その採用体系のほとんどは歩合制のウエイトが高い仕組みになっている。

働く側の社員にしてみれば、がんばって成果が上がるほど高い報酬が得られるために“やりがい”はあるものの、成績によって乱高下する収入の構造は大きなストレスの原因にもなる。実際にこのストレスで病気になる人も多い。そのため実力主義の完全歩合給(フルコミッション)制度は日本人には馴染まないのでは、という声も上がっている。

歩合給によって動く営業社員には安定した収入の保証がないため、一匹狼として動きながら“一発狙い”の営業をする人達も少なくない。小さな契約しか期待できない顧客は切り捨て、常に大きな契約だけを狙う営業スタイルは、長い目で見れば企業にとってもデメリットになる。

国内で、古くから成果報酬型の給与体系で営業部隊を編成してきた事例としては生命保険業界がある。生保会社の営業マンからのしつこいセールスを受けた経験は、誰もが1度や2度は持っているものだが、契約を取らないことには生活できるだけの収入が得られない彼らは、それぞれ独自のたくましい営業戦術を身につけている。



 ●生保外務員の収益構造についての解説
  ・生保外務員の歩合給制度の仕組み

 ●大口契約を狙う歩合制外務員の成功
 ●顧客を疲労させる実力主義競争の弊害戦術
 ●変化する雇用環境の中で求められる新賃金体系の構築支援



JNEWS LETTER 2002.11.27
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