デジタルアセット担保ローンは、暗号通貨を保有する投資家が利益確定をせずに短期で必要な現金を調達できる仕組みとして需要が伸びている。 暗号通貨の含み益は売却した時点で総合課税されるため、それを回避する資金調達の方法として活用されている (JNEWSについてトップページ
暗号投資家向けのデジタルアセット担保ローン開発

JNEWS
2022/3/31

 大和証券グループとクレディセゾンの合弁会社としてブロックチェーンのソフトウエア開発を行うFintertech株式会社では、暗号通貨のビットコインとイーサリアムを担保として日本円を融資する「デジタルアセット担保ローン」を提供している。

日本の税制では、含み益のある暗号通貨は一度売却して現金化した時点で、雑所得として課税されるため、給与所得など合算した所得税の税率がかかってくる。そのため暗号投資家の中では、保有している暗号通貨は売却せずに、急な用途で必要になった現金を調達したいというニーズがある。

デジタルアセット担保ローンは、そこに対応したローンサービスで、ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)の時価評価額に対して50%までの現金(日本円)を融資する。貸付金利は年率4.0~8.0%で、一般的な消費者ローンよりも低い水準に設定されている。保証人は不要、借入期間は1年で、毎月決まった額を返済するのでなく、借入期間の満了日までに一括返済する方式(返済回数1回)になっている。

融資可能額は、個人向けローンが200万円以上10万円単位、上限は年収の3分の1まで。事業者向けローンは500万円以上10万円単位、最大5億円までの融資に対応する。
ただし、暗号通貨の相場が下落して、担保設定している暗号通貨の価値が借入総額の120%を下回った場合には、担保を追加する必要がある。それが出来ない場合には、担保通貨が自動売却されてしまうリスクがある。

デジタルアセット担保ローンの具体的な活用プランとしては、保有している暗号通貨の含み益があるため、それを担保に納税資金を調達したいというケースや、経営者が個人として保有する暗号通貨を担保にして、自分の会社の運転資金に使うなどの用途が想定されている。

Web3.0のトレンドもあって、暗号通貨の時価総額は上昇しており、デジタル資産としての信頼性を高めてきていることから、税制面からすると短期売買よりも中長期的に保有することが賢く、急な資金が必要になった時には、ビットコインやイーサリアムを担保として現金を借り入れるスタイルが、暗号投資家の中で普及していくことが予測される。

デジタルアセット担保ローン(Fintertech)

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