買い物履歴を収益化するレシート買い取りアプリの仕組み
店頭で買い物する度に、財布の中で増えていくレシートを買い取りしてもらえるアプリが登録者を増やしてきている。WED株式会社(東京都渋谷区)が2018年6月からリリースしているレシート買取アプリ「ONE」は、累計のダウンロード数が150万件、レシートの買い取り回数が8500万件を超している。
ONEアプリの仕組みは、スーパー、コンビニ、ドラッグストア、レストランなど購入したレシートを撮影するだけで通常1~10円のキャッシュバックが受けられる。また「ONE」が指定したレシートは、さらに高額のキャッシュバック(100~300円)が受けられることもある。キャッシュバックで貯められたポイントは「ONEチケット」で、提携先企業の商品やサービスと交換することができる。チョコレート菓子の「ブラックサンダー」に交換できるチケットは最も人気がある。
ONEアプリのビジネスは、小売りチェーンや食品メーカーなどとの提携により、消費者の買い物情報をレシートからリサーチして、新商品の開発や販促マーケティングに生かすことで収益化されている。
たとえば、朝時間のコンビニ購買履歴では、「セブンイレブンのツナマヨおにぎり」と「ホットコーヒー」を併せて購入する消費者が多く、ランチタイムでは「マクドナルドのフィレオフィッシュ、マックフライポテトM、コーラ」の注文が人気となっている。企業は、レシートデータから消費者の購買動向を把握することができ、そのニーズにマッチした販促キャンペーンを実施すれば、自社製品の売上げを伸ばすことも可能になる。
さらに、2021年7月に行われた東京都議会議員選挙では、7/4(日)、7/5(月)の2日間限定で、投票済証明書を10円で買い取るキャンペーンも実施されている。これは、飲食店や小売チェーン店舗の中で、選挙投票者に対して割引等を実施する投票特典サービスが増えていることに対応したもので、レシート買い取りが新たな社会貢献型サービスへと飛躍する兆しもみせている。
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