不動産業界では物件情報の共有が行われているが、 個々の物件が、売れているか、空室のままかの確認(物確)は電話で行われるのが通例。しかし物確電話の対応は負担が大きいため、これをAIエージェントに行わせるシステムが開発されている(JNEWSについてトップページ
物件確認をAIが自動応答するスマート物確

JNEWS
2019/11/1

 不動産業界では、不動産会社同士や物件管理会社との間で、物件情報の共有が行われている。共有されている情報は、自社のホームページや不動産情報サイトの中で「売り物件」や「賃貸物件」として掲載されるが、顧客から問い合わせの入った物件が、まだ売れていないか、空室のままかという確認や、物件の詳しい資料請求については電話で行われている。

これは業界用語で「物確(ぶっかく)電話」と呼ばれている。しかし、物確電話は、夜間の時間帯や土日に入ることも多く、その対応をすることが、不動産会社にとっては負担になっている。大手の不動産管理会社には、月間に数千件の物確電話があり、その対応をする社員の人件費負担も大きい。

株式会社ライナフが開発した「スマート物確」は、物確電話の対応をAIの音声エージェントに任せられるクラウドシステムで、通話時間に応じて月額5,000円~の従量課金制で利用することができる。(初期費用は必要)

専用の電話番号にかけると自動アナウンスが流れ、声に出した物件名をAIによる音声認識で特定し、物件情報を自動応答する。音声認識での物件特定率は95%以上と高い認識率を達成している。また、LINEによる物確にも対応しており、トークルームで問い合わせされた物件の詳細情報(賃料、管理料、礼金、敷金、空室状況)をLINE Botが自動応答する。

ライナフ社では、鍵メーカーの美和ロックと共同開発したスマートロックを利用した「スマート内覧」のシステムも提供しているため、スマート物確と連動させることで、不動産管理会社は、物確電話の応答から物件内覧の手配までをすべて無人化することも可能になる。不動産仲介会社は、顧客を連れて内覧する日時をマイページから予約すると、デジタルキーが発行されて、物理鍵を受け取らずに入室できる仕組みになっている。

ライナフ社は2014年の設立で、スマートロックやAIエージェントなど、不動産業務を効率化するITサービスを複数展開している。三菱地所グループ、伊藤忠テクノベンチャーズ、東急不動産ホールディングスなどからの出資を受けて、累積資金調達額は10億円を超している。


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