家事プラットフォームとして進化する未来家電の方向性
消費者の家族構成やライフスタイルが変化する中で、家事の方法にも変化が訪れている。特に「食事の支度(調理)」に費やせる時間は減少してきており、米国では、10分以内で準備ができる家庭料理の関連市場が伸びていくことが予測されている。
日本でも、忙しい主婦向けの調理支援サービスは色々と登場してきているが、パナソニック(6752)が、2019年10月から立ち上げる「くらしアップデートサービス」は、家電メーカーの立ち位置から、新たな家事のスタイルを提案するものである。
このサービスは、パナソニックが既に提供している食のプラットフォームアプリ「キッチンポケット」を介して、レシピ情報とキッチン家電を連携させることで、家電がメニュー・献立を提案したり、調理に必要な食材の買い物リストを自動生成することができる。さらに、調理支援の外部サービスとして、食材宅配業者「ヨシケイ」との提携により、パナソニックのキッチン家電を利用して、そのまま調理ができる専用食材(ミールキット)の販売も予定している。
キッチンポケット対応製品の第一段として発売される、スチームオーブンレンジ「ビストロ(NE-BS2600)」には、スマホアプリと連動した献立サポート機能が付いている。毎日の献立選びに苦労している主婦は、キッチンポケットのスマホアプリ上で更新されるレシピ情報の中から、好きなメニューを選定すると、調理に必要な食材リストが表示される。レシピ情報は自宅のネット回線とWi-Fiで常時接続されていビストロにも送信されるため、買い物をした食材の下ごしらえをした後、レンジのボタンを押すだけで料理を簡単に作ることができる。
さらに今後は、アプリで選択した献立の食材キット(下ごしらえ済み)をオンライン注文できるようにして、ヨシケイが配達するサービスも順次、商圏を拡大していく計画だ。
キッチンポケットの献立アプリは、パナソニックの家電製品を購入していないユーザーでも無料でダウンロードして利用することができる。パナソニックは、キッチンポケットで形成されるユーザーコミュニティを母体として、ネットと常時接続された各種キッチン家電と連携させるビジネスモデルを描いている。
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