若年層をターゲットとしたLINEの資産運用モデル
日本の個人世帯が保有する金融資産額は1,829兆円ある中で、株式や投資信託の保有率は約15%で、欧米と比較しても低い。東京証券取引所が発表している統計値によると、個人投資家の中でも株式への投資額は300万円未満の層が、全体の6割を占めている。これからの金融業界にとっては、30歳未満の若年層を顧客として獲得することが課題となっており、スマホからでも資産運用が手軽にできるアプリの開発は、Fintechの参入テーマにもなっている。
LINEが野村ホールディングスとの合弁事業として立ち上げた「LINE証券」は、LINEアプリの中で、ユーザーが3,000円以内の少額資金から資産運用をスタートできるように設計されている。
従来の証券会社は、口座の開設から資金の入金までの手続きが面倒なことが、投資未経験者にとっては高いハードルとなっていたが、LINE証券では、LINEアプリの「ウォレット」から「証券」アイコンをクリックして、申込み手続きをする。数日で簡易書留ハガキが届くため、記載されているQRコードを読み取ると「LINE証券」の登録手続きが完了して、資産運用を開始することができる。投資資金の入金は銀行振込の他に、「LINE Pay」の残高を利用することにも対応している。
LINE証券で投資ができるのは、日本の有名上場企業100社と、1口単位で取引できるTOPIX、不動産(東証REIT)、NYダウ、NASDAQ、金、原油などの指数に連動した国内ETF(上場投資信託)に絞られている。投資対象の上場企業は、1株単位で購入できる株価3,000円以内の銘柄を中心に選定されているため、ネットのニュースで話題なった会社の株式を1株、LINE Payで貯まった小遣いで購入する投資スタイルも可能になる。LINEアプリには8,100万人の月間利用者がいることから、手軽な資産運用ができる金融プラットフォームとしての潜在価値は高い。
スマホアプリから手軽に資産運用ができる仕組みとしては、店舗で受け取った釣り銭で資産運用ができる「トラノコ」や、AIのロボアドバイザーに投資を任せられる「WealthNavi(ウェルスナビ)」や「THEO(テオ)」なども登場してきており、既存の証券会社や銀行の販売ルートとは異なる顧客層を獲得しはじめている。
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