数字が苦手なウェブ担当者向け数学基礎教室の開講
これまでの一般的な営業職や事務職では、学生時代の数学知識を使うことは意外と少なかったが、近頃は、社内の業務データがオンライン化されるようになり、売上に対する利益率、見込客のリーチ数に対する成約率、解約率、Webサイトのアクセス統計などを分析することが常態化してきた。これは、KPI分析(重要経営指標)と言われ、特別な理数系人材でなくても、数字に強い担当者がビジネスの現場で求められるようになっている。
しかし、数学が苦手なビジネスパーソンは潜在的に多く、簡単な足し引き算はできても、「この商品の原価や利益率は何%か?」などの、シンプルな指標計算が直感的にできないケースは、出来上がったExcelシートの操作に慣れてきた30~40代の社員に多い。
さらに、eコマースサイト運営などでは、アクセス統計の中から、集客や売上に結び付く数値の分析ができるスキル(数字を読み取る力)が必要になっている。自動分析ツールで数値は色々出てくるが、それの意味が分からず、上司やクライアントに説明するのに自信がない、という悩みを抱える人は多い。そこで最近では、社会人が数学の基礎知識を学び直せる数学教室が、新たな市場として成長している。
大人向け数学教室「大人塾」を運営するマミオン有限会社(東京都新宿区)が2019年6月末から開始した、「ウェブ担当者向け基礎数学オンライン講座」は、自社サイトの運用、eコマースサイト、広告代理店、制作会社など、ウェブの制作や運営に関わる担当者を対象として、業務に活用できる基礎数学力を養うことを目的とした指導を、通塾型(新宿区高田馬場)と、オンライン講座の2通りで行っている。オンライン講座は、PCとスマートフォンからの受講スタイルに対応している。
カリキュラムの内容には、ウェブサイト運営に必要な思考力を鍛える「情報整理」、分析業務に必須の「割合の基礎と応用」、「会計の基礎」、「表やグラフの読み取り」、「統計基礎」などの単元が用意されている。
《ウェブ担当者向け基礎数学講座の主な項目》
- 情報を整理する(集合・平均・樹形図)
- 割合の基本を理解する(割合の考え方、基になる量、比べられる量)
- ビジネスでの割合を考える(○○あたり、○○率、前年比、2段階の割合)
- 会計、損益の基本を理解する(原価、利益、定価など損益算)
- 表とグラフを正確に読み取る
- ウェブ担当者に必要な統計の基礎を知る(平均値、中央値、累積など)
この講座は、近年受講者が増えている「ウェブ解析士」の試験対策としても適応している。ウェブ解析士の計算は、ほとんどが「割合」の応用問題となっているが、割合を公式だと認識して、自由に数値を組み替えられない人が多いという。同講座の指導は、受講者の苦手レベルに合わせてスタートラインを設定するため、無駄な時間を費やすことなく、ウェブ担当者に最低限必要な単元を集中して学べるように体系化されている。
受講料金は、都合の良い時間帯に教室へ通う通塾型(15時間)が43,000円、オンライン講座が月額9,800円(1ヶ月毎のサブスクリプション)となっている。
この講座を運営するマミオン有限会社は、SPIテストなど就職・転職活動時の数学試験対策を中心に授業を行う、大人の数学教室「大人塾」の運営を2011年から開始して、現在までの通学者は、2,000名を超している。受講者は、就活者の他にも、仕事で使う数学知識を高めたいビジネスパーソンや、趣味として数学を学び直したい高齢者まで、20歳から75歳までの年齢層がいる。ウェブ担当者向け数学基礎講座は、半年間で300名の受講を見込んでいる。
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