ペットの飼育にかける費用は年々上昇する傾向にあり、2018年のデータでは犬が年間48万円、猫が23万円。飼い主の高齢化により飼育頭数は減少する中で、ペット業界にも少子高級化の波が訪れている (JNEWSについて
少子高級化が進むペット業界とペット保険市場

JNEWS
2019/3/17

 日本では全体の3割を超す世帯でペットを飼っており、ペットビジネスは約1.4兆円の市場規模があるが、犬猫にも少子高齢化の波は訪れている。飼い主の高齢化が進むことで、飼育件数は年々減少の傾向にあり、2013年の犬の飼育数は1,026万頭だったのが、2017年には892万頭にまで減少している。

《ペット飼育件数の推移》


その一方で、ペットにかけている飼育コストは年々上昇する傾向にある。ペット保険「どうぶつ健保」を運営するアニコム損保が、保険契約者に対して毎年行っている「ペットにかける年間支出調査」によると、2018年の平均飼育コストは、犬が年間48万円、猫が年間23万円という結果だ。同じ調査の2013年版では、犬が年間33万円、猫が17万円となっていることから、大きく上昇していることがわかる。

《1年間にかけるペット飼育費用》

飼育費用の中でも、支出が伸びているのは「しつけ・トレーニング料」、「ペット保険料」、「ドッグランなどの施設利用料」など、以前には無かったペットサービスの項目である。また、健康に配慮したドッグフードやサプリメントで良質な食事を与えたり、美容室のトリミングに毎月通うことで、病気の予防を防ごうとする傾向もみられる。飼い主は、自分自身よりも、ペットの美容院、医療品、食費などに費用をかけることで、愛情を注いでいる。



犬の場合には、体格(体重)によって飼育費用に大きな違いがあり、小型犬(10kg以下)の年間費用が43.6万円であるのに対して、大型犬(15kg以上)では年間75.7万円もの費用がかかる。さらに、猛暑対策として、留守中でも室内のエアコンを付けっぱなしにしておくことによる光熱費の増加も、飼い主の新たな費用として浮上している。

ペットの怪我や病気に備えるためのペット保険も、市場は急成長している。アニコム損保の「どうぶつ健保」は、月額2,500円~9,000円の保険料(犬種クラスと年齢により金額は異なる)を毎月払うことで、提携先の動物病院(約6400ヶ所)で診療にかかった費用の50%、または70%が補償される内容で、74万件の契約を獲得している。

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