サブスクリプション型アパートメント「OYO」の日本上陸
米国では、従来のような賃貸契約ではなく月額会費制で入居できるアパートが高年収の単身者から人気となっているが、日本でもヤフー(4689)とインドのホテル運営会社OYO(オヨ)との合弁事業として、「OYO LIFE」という新形態のアパートメントサービスが2019年3月上旬から開始される。
「OYO LIFE」は、スマートフォンひとつで物件探しができ、入居契約、家賃支払い、退去までの手続きをWebやモバイルアプリから行えるようにすることで、ホテルをネット予約するように、アパートの部屋を借りられる新サービスを目指している。主な入居ターゲットは、東京23区内で職住近接の立地を希望する単身のビジネスパーソンや、共働き家族などが想定されている。月額家賃はマンションタイプが10万~15万円、戸建タイプが25万~45万円、シェアハウスタイプが4万~6万円。
OYO LIFEが取り扱うすべての部屋が、家具家電付き、公共料金・Wi-Fiなどの通信費、定期的なハウスキーピングなど基本的なアメニティが月額家賃の中に含まれている。日本の賃貸契約として慣習化している、2年縛りの入居契約、敷金・礼金・仲介手数料の支払いは無く、旅するように自分のライフスタイルに合ったエリアで、気に入った物件に住めるのが特徴。
取り扱い物件として、2019年3月末までには、東京都内のプレミアムエリア(渋谷区、目黒区、新宿区、中央区、文京区、千代田区)を中心に1,000件を超える物件を獲得する計画で、物件オーナーからの問い合わせも募集している。
物件オーナーに対しては、家賃保証をしながら、定期的なメンテナンスと資産の専門的な維持管理も行う。オーナーにとっては空室リスクを回避することができ、ホスピタリティサービス付きの物件として付加価値を高めることができる。
ヤフーとの合弁でこの事業を立ち上げるインドのOYO社(2013年創業)は、2015年にソフトバンクから1億ドルの出資を受けており、インドを中心にマレーシア、アラブ首長国連邦、ネパール、中国、インドネシア、英国の8ヶ国でホテル予約サイト「OYO Rooms」を運営している。
同社は、単に宿泊予約の取り次ぎをするのではなく、担当者が各ホテルの現地調査をして、無料Wi-Fi、朝食、エアコン、清潔なベッド、バスルームのアメニティ、など30項目にわたるチェックリストをクリアーしたホテルのみを提携先としている。それにより、ホテル側にとっても、OYOのネットワークに加盟することで宿泊客からの信用が得られる、独自のブランドビジネスを展開している。
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