ファーマクラウドでは、調剤薬局が保有する長期在庫を他の薬局とシェアリングできる在庫管理システムを開発。このシステムではスマートスピーカーを利用して、音声による各薬剤の在庫確認や需要量の予測ができるようになっている。
調剤薬局の不動在庫を管理・共有するクラウドサービス

2018/6/11

 日本では処方箋薬を取り扱う保険薬局が約5万7千店舗あり、年間平均700店舗超のペースで増加している。各薬局では数ヶ月分の在庫を保有しながら、顧客が持参する処方箋に対応しているが、薬剤によっては長期にわたり保管し続けることになってしまう不動在庫もある。 それを解決するのが、株式会社ファーマクラウドが開発する、薬局特化型SaaSの「PHARSAS(ファーサス)」で、各薬局店舗が保有する在庫情報の管理と、不動在庫のシェアリングができる機能を提供している。

同システムは「Med Share」と「ファーマシストオンライン」という2つの機能によって構成されている。「Med Share」は、個人情報が匿名化されたレセプトデータをサーバーに登録することで、長期保有している薬剤が自動的に検出されて、他の薬局への出品販売することができる。

「ファーマシストオンライン」は、PC、スマートフォンからの操作に加えて、スマートスピーカー(Google Home)を利用した、音声による薬剤管理ができる機能で、薬剤師が音声で質問をすれば、薬剤毎の過去の処方量、今後の処方量の予測をシステムが音声で回答する。たとえば、特定の薬剤が誰に処方されているか?その患者がいつ来局するか、どのくらい処方されそうかを調べるまでに、従来の在庫管理ソフトでは452秒かかっていたのに対して、スマートスピーカーでは91秒に短縮することができる。また、オプションサービスとして、指定した期間に回転していない不動在庫の一覧リストをファックスで送信する機能も用意されている。

ファーマシストオンラインの導入費用は1店舗あたり4,980円。不動薬剤のシェアリングサービス「Med Share」は、初期費用と月額料金とも無料で利用することができる。2018年夏からは、出品した不動在庫が購入された時に5%の手数料を課金する予定となっている。

システム開発元の株式会社ファーマクラウド(本社:東京都千代田区)は、2016年12月の創業。代表者の山口洋介氏(1977年生まれ)は、九州大学大学院薬学研究科を修了して、製薬メーカーに7年勤務した後、東京都千代田区に薬局お茶の水ファーマシーを開局。薬局経営と並行しながら、薬局の現場向けソリューションを開発している。

株式会社ファーマクラウド

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