休眠会社が保有する営業権とライセンスの売買価値

JNEWS会員配信日 2018/6/6

 ここ数年は売上が立っていない休眠状態の会社でも、条件によっては高い付加価値で買い手が付くものもある。その条件に該当するのが、各種の許認可やライセンスである。一例として、昭和の時代から営業を続けてきた酒屋が保有する酒類小売業の免許は、非常に価値が高いと言われている。

日本の酒販免許制度は、平成元年(1989年)に改正され、実店舗向けの「一般酒類小売業免許(一般免許)」と「通信販売酒類小売業免許(通販免許)」の区別がされるようになった。ネットで酒類を販売するには通販免許が必要になるが、年間出荷量が3000キロリットル以上を超す国産商品は扱えないことになっている。
そのため、国内大手メーカーのビールや発泡酒は、ネットでは販売することができない。

しかし、平成元年前に発行された旧酒販免許には、一般と通販の区別がなく、すべての商品を、店舗と通販の両方で販売することが可能だ。そのため、ネットで酒類販売を始める業者は、新規で酒販免許(通販免許)を取得するよりも、旧免許を保有する酒屋を買収したほうがメリットは大きい。アマゾンが日本国内での酒類販売をスタートさせた際にも、廃業する酒屋を買収して旧免許を取得したのは酒販業界では有名な話である。それ以降、昭和の時代から営業している酒屋の売買価値が高まっている。

その他にも、認可保育園、一般貨物運送免許、貸金業許可、産廃処理業の許可、公共工事の入札資格などを保有する会社などは、その業界の新規参入者から人気が高い。また、民間機関が発行するライセンスでも価値が高いものもある。
たとえば、中古車の業者オークション(USSなど)に参加できる会員資格は、新規で取得するためのハードルが高いことから、実質的には廃業している中古業者が、オークションの会員資格を他の開業者に貸しているケースもみられる。

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・介護業界の総量規制で高まるM&Aへの需要
・廃業する町工場のサラリーマン取得モデル
・休眠会社が保有する許認可ライセンスの価値
・税理士の事業譲渡モデルと営業権の価値
・業種と事業規模によって異なる事業承継仲介
・サラリーマンからプロ経営者になる道筋とキャリア形成
・国内で急成長する医療クリニックのM&A仲介と売買価値
・社員の“やる気”を引き出す独立支援/のれん分け制度の研究
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