旧車マスタング復活のライセンスビジネス
JNEWS会員配信日 2018/1/12
自動車やバイクにも熱狂的なファンは存在しており、特に数十年前に生産された古い車(旧車)を復活(レストア)させることが人気となっている。メーカーに対しても、新車当時と同じ部品を調達したいという問い合わせはあるが、20年以上前の部品は既に廃盤になっている。また、中古部品の紹介は品質の保証ができないことから、メーカー側ではレストアには積極的に協力してこなかった経緯がある。
自動車メーカーにとっては、品質や安全性の面で妥協をすることができないため、旧車ファンの要望にすべて応えることは難しいが、一つの解決策として初代フォード・マスタングの再生モデルは参考になる。
マスタングは、米国を象徴するスポーツカーであり、1964~1968年にかけて生産された初代マスタングは、現在でも人気がある。このモデルを復活させているのが、2014年に米フロリダ州オーランドで創業した「Revology Cars」という、従業員数が28名の会社だ。創業者はフォード社出身のエンジニアで、フォードからの正式なライセンス契約により、1966年型マスタングのコンバーチブルとクーペ、1966年型シェルビーGT350など、計5車種を復刻生産している。
これは、現存の中古車をレストアしたものではなく、フォードから現行型マスタングに搭載されるエンジン(5.0L、435馬力)の供給を受け、ボディーデザインもフォードとのライセンス契約により、本物を忠実に再現したレプリカ(複製車)を新車として生産販売している。ただし、安全や快適装備については当時のままでなく、3点式シートベルト、4輪ディスクブレーキ、パワステ、エアコン、パワーウインドウなど、現代の車として使いやすい機能が搭載されている。
価格はモデルによっても異なるが、16万~19万ドル(約1790~2120万円)の設定で、注文から納車までには約1年かかる。このようなレプリカ車は、手作業の製造工程が多く、販売台数も限られるため、フォード社自体が行うのでは採算が合わない。しかし、コアなファンが確実に存在する市場でもあるため、元エンジニアがスピンアウトした会社に、デザインやパーツをライセンス提供する形での“復元”であれば、合弁事業として手掛けやすい。(この内容はJNEWS会員レポートの一部です。正式会員の登録をすることで詳細レポートにアクセスすることができます → 記事一覧 / JNEWSについて)
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