中国企業の「Ecovacs(エコバックス)」は、床掃除ロボット、窓掃除ロボット、空気清浄ロボット、ハウスキーパーロボットなどを開発。同社は、中国内で5百店舗以上の直営店を展開しているが、オンラインサイトを通して、欧州、米 国、日本へと販路を広げている。
ロボット市場の覇権を狙う中国企業の動きと知的財産の争い

JNEWS
JNEWS会員配信日 2015/8/19

 これからのロボット市場を捉える上でも、中国の存在は大きなものになりそうだ。中国では、新たなロボットビジネスに対して積極的な投資を行っており、最近話題になることが多い、ドローン(無人ラジコンヘリ)の開発でも、中国メーカーの「DJIテクノロジー」が、世界で7割の販売シェアを獲得している。

掃除ロボットの分野でも、中国は力を付けてきており、1998年に蘇州で設立された「Ecovacs(エコバックス)」では、床掃除ロボット、窓掃除ロボット、空気清浄ロボット、ハウスキーパーロボットなどを開発している。同社は、中国内で5百店舗以上の直営店を展開しているが、オンラインサイトを通して、欧州、米 国、日本へと販路を広げてきている。

床掃除ロボットというと、iRobot社のルンバが有名だが、中国エコバックスの「DEEBO D79」は、ロボットとハンディ掃除機がセットになっており、自律走行したロボットが吸い上げたゴミを、親機となる掃除機が自動回収する仕組みで、通常のハンディ掃除機としても使用できる。

また、窓掃除ロボットの「WINBOT」は、窓ガラスに吸着しながら自走してワイパーで汚れを拭き取っていく仕組みで、曇りガラスやステッカーの張ってあるガラスにも対応するため、一般家庭の他に、オフィスや店舗の窓ガラス拭きにも使用できる。

中国政府は、国内のロボット企業を、低利の融資や税控除などで支援しており、製造業の現場で使われるロボットの出荷台数で、長らく世界でトップのシェアを維持していた日本のポジションを2013年の時点で追い抜いている。

背景として、中国の製造業は安い人件費をウリとして、安価な製品を世界に輸出してきたが、近年では、一人っ子政策の影響で若い労働者の確保が難しくなり、賃金が高騰してきたことから、ロボットの導入により生産効率を高めようとしていることがある。



新分野のサービス系ロボットについても、中小の事業者や一般家庭にまで普及させるには、量産をして製造コストを下げていくことが課題になるが、それは中国メーカーが得意とするところである。

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