知的財産ビジネス事例集
  
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  売れているのに数年で解散するロックバンドは、メンバー間の収益分配に偏りが生じることで、人間関係が悪くなっていることが多い。そこで固定したバンドを組まずに、短期のユニットを形成する協業スタイルが増えており、その仲間探しは世界に広がっている。
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音楽業界に起こる
コラボレーション・ビジネスの新スタイル
written in 2010/11/16

はじめから商業的な活動を目的に結成されているロックバンドは、各メンバーの役割がビジネスライクに決められているため、ボーカルが歌唱+作詞作曲も担当するバンドの主役で、他のメンバーが演奏のみという関係でも、仲違いすることなく協調関係が維持できているケースが多い。

その時の所属事務所との契約は、ボーカル(主役)と他のメンバーとでは別体系になっている。ボーカルは、すべての活動が事務所の管理下にある専属アーティスト契約であるのに対して、他のメンバーは、レコーディングやライブがある時にのみ拘束されて、それ以外の期間は自由な活動ができる、業務請負型の演奏契約である。

これは事務所側にとって都合の良い契約システムに見えるが、演奏技術が高いミュージシャンであれば、複数のバンドに参加して収入源を増やすことができるため、専属契約よりも好都合という考え方が広がっている。

近年では、音源データを電子的にやり取りする方法で、バンドのメンバー全員が同じスタジオに集まらなくてもレコーディングができるため、日本(ギター)、米国(ドラム)、英国(ベース)といったメンバー構成の豪華バンドを結成することも容易で、常に固定したメンバーで活動する必要性は薄くなってきている。

そこで、ソロでの活動を柱としながら、手掛ける作品やライブの企画に応じてチーム(バンド)を組むというスタイルが増えている。まず初めのチーム活動として、遠隔レコーディングで制作した音源を発表(発売)して、その反響や売れ行きが良ければ、メンバーがリアルに集結してライブ活動をすることで興行収入を稼げばよい。

バンド活動の収支は、短期のプロジェクト単位で精算された後、各メンバーは次の活動へと離れていくため、メンバー間で「稼げる者」と「稼げない者」の格差が固定して、人間関係が悪くなることも少ない。こうした音楽家の協業スタイルは、「ミュージック・コラボレーション」と呼ばれており、欧米では様々なツールやサービスが登場してきている。



《バーチャルバンドの活動スタイル》

  

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この記事の核となる項目
 ●ビジネスの現場に生じる協調と裏切りの選択肢
 ●ゲーム理論を応用したビジネスにおける信頼関係の作り方
 ●ネットコミュニティにおける人間関係の法則
 ●バンドが売れるとメンバーの仲が悪くなるのは何故か?
 ●新たなバンド形態による音楽才能の集まり方
 ●バーチャルバンドの活動スタイルと収益モデル
 ●ミュージック・コラボレーションのオンラインスタジオ
 ●会社組織からスカンク・ワークスへの転換
 ●仮想チームによる翻訳作業の進め方
 ●コラボレーション・ワークの収益分配ノウハウ
 ●コラボレーションの数だけ増える契約の種類
 ●クラウドで育成される専門人材とバーチャルオフィス
 ●組織には頼らない米タレントの求職活動とオーディション市場
 ●知的人材が求めるフレキシブルワークと新たな隠れ家的空間


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