知的財産ビジネス事例集
  
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  著作権を管理するスタンスは、これまでの「厳格に権利を守る」という姿勢から、部分的な開放を認めて二次的な権利収入を獲得するという方向へと変化している。自分(自社)の著作物をある程度は自由に使ってもらった後、商用契約へと結びつける手法が流行ってきた。
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守りから部分開放への転換で収益化を狙う
著作権管理ビジネス
written in 2004/10/2

 ふと思いついてテーブルクロスの切れ端に書き記した一行の文章、あるいはノートの隅に暇つぶしのつもりで描いたイラストが巨万の富を築くことがある。その内容に対する評価はどうであれ、人間が生み出した文章、イラスト、音楽などには著作権が発生する。著作権は知的財産であるため、他人がその著作物を利用したい場合には、著作権者に対して許諾や使用料を支払わなくてはならない。

著作物による収益が魅力的なのは、足し算でなく掛け算で収入が増えていく点にある。原稿が書籍として出版されることで考えると、執筆にかかる時間は同じでも、本の販売部数が千部と百万部との違いでは、著者の懐に入ってくる印税収入では千倍もの差が生じる。このカラクリに気付けば、ライター、イラストレータ、Webデザイナー、プログラマーなど、いずれのクリエイター職をとっても、自身の収益構造の中に著作権収入が得られる仕組みを作ることが、億万長者になるためには必須の課題といえる。

近頃ではブログで自分の日記を公開する人も増えているが、それを糸口にして自分の人生を切り開くことも不可能ではない。毎日掲載するオンライン日記が個性的で、他にはない魅力ある内容ならば、サイトのアクセス数は増えて、作者の知名度は次第に高まっていく。すると雑誌や新聞、テレビなどで紹介される機会にも恵まれて、それを見た出版社から日記を書籍化する提案や、新たな原稿執筆の依頼が舞い込んでくることも期待できる。

もちろん、日記作者からプロの文筆家になれる人の数は極めて少ないだろうが、自分の作る著作物に潜在的な商品価値があるという点は見逃すべきではない。ネットによって自由に作品が公開できるようになると、運の良し悪しではなく、実力の優劣によってのみプロへの道が開かれるようになる。そこで大切になってくるのが、自分の著作物をどのように管理、マネジメントしていくかということである。
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この記事の核となる項目
 ●手綱さばきのバランスが難しい著作権管理の手法
 ●部分的に著作権を開放して作品を普及させる考え方
 ●コンテンツの商用二次利用に向けた著作権仲介ビジネス
 ●音楽配信事業における著作権収入の仕組み
 ●急成長するオンライン音楽配信で変わる音楽業界の権利ビジネス
 ●優良コンテンツに対する版権管理の仕組みと版権エージェント
 ●儲けるためのライセンス契約の急所と契約管理に向けた商機


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