知的財産ビジネス事例集
  
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  “マルチメディア”という言葉がもてはやされた1997年頃からビデオ・オン・デ マンド(VOD)型のコンテンツ配信サービスは注目されてきた。V ODの利点は、見逃してしまったビデオ番組や好きなビデオを、自宅から自由に 選んで、すぐに呼び出して見れるところにある。ただし理想が先行してビジネスとして成り立つまでの道のりは長かった。
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眠ったビデオ資産を収益化する
ビデオ・オン・デマンドの急所
written in 2004/7/13

 DVD環境の普及によって、過去の動画コンテンツをDVDソフトとして再編集して販売するケースが増えている。人気の映画作品はもちろんのこと、最近ではテレビ業界でも放映後にDVDとして発売することを前提に、番組が制作されている。各テレビ局ともに、DVDソフト販売の子会社をしたり、公式サイト上にオンライン販売コーナーを設けるなどの動きが慌ただしい。

NHKでいえば、株式会社NHKソフトウェアという子会社が、番組の版権管理からソフト販売までを統括していて、最近の大ヒットドラマ「冬のソナタ」や、NHKスペシャル、ブロジェクトXなどの人気番組をDVD化して販売している。価格は1番組あたり3〜5千円で、バックナンバーをまとめた3〜5万円の全巻セット商品もある。

今後のテレビ局経営では、デジタル化への対応などによって番組制作費が高騰していく傾向にあるため、番組コンテンツに対する収益源を、従来の受信料や広告スポンサー料の外にも作り上げていくことが課題だ。DVDソフトの販売はそんな取り組みの一つと言える。

その他にバックナンバーを活用した収益源としては、オンライン配信も本命ビジネスの一つである。そこで実用レベルに到達しつつあるのが、たくさんのビデオコンテンツが蓄積されたサーバーの中から、目的のコンテンツを自由に呼び出して観ることができるビデオ・オン・デマンド(VOD :Video On-Demand)型のコンテンツ配信サービスである。VODはテレビ局だけの新ビジネスではなく、ビデオコンテンツを豊富に蓄積している業者ならば、専用のシステムを構築またはレンタルすることで立ち上げることが可能だ。今回はその商機に迫ってみたい。
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この記事の核となる項目
●ビデオ・オン・デマンド市場の変遷と今後の狙い方
●ビデオ・オン・デマンド(VOD)の仕組み
●映画コンテンツのVOB配信による収益構造
●ビデオ・オン・デマンド配信における料金体系の魅力
●米国ハリウッドにおけるVOB事業の動向
●映画、テレビ番組未満のコンテンツによるVOD配信代行サービス
●教育市場におけるVODサービスの動向
●今後のVOD市場を支えるベンチャー技術
●期待されるブロードバンド・コンテンツの採算性と収益モデル
●DVD化権の獲得と販路開拓が成功の鍵をにぎる映像ビジネス


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