豊かなリタイア人生を目指す生涯年金計画とFat FIRE
海外で増えている「静かな退職者(Quiet Quitting)」に該当する人達が目指す人生設計には、大きく3つの選択肢があると言われている。1つ目は「無理はしないまま今の会社に留まる」、2つ目は「今よりも条件や環境の良い会社に転職する」、3つ目は「副業や起業をして新たな収入源を作り、早期リタイアを目指すこと」である。
世界的に長寿化が進んでいることで、これからの定年年齢は65歳、さらに70歳まで働かなくてはいけない時代が到来しようとしている。何歳まで働くのかは、健康状態や、仕事への労働意欲を踏まえた上で、自分自身が決めるようになる。年金の支給年齢をサラリーマンの引退時期とする人は多いが、各国の政府は年金支給年齢も引き上げる方向にある。
日本では、年金の支給開始年齢を自主的に繰り上げ・繰り下げることができる制度が導入されている。基本となる65歳から受給開始を1年遅らせる(繰り下げる)ことで年間の支給額は8.4%増額される。そこで5年間の繰り下げをして、受給開始を70歳からにすると、42%%増額された年間支給額が生涯にわたり継続する。
現役時の平均年収が500万円だった人が90歳まで生きると、生涯の年金受給総額では約1000万円の得になるのだ。
自分が何歳まで生きられるのかは予測できないが、平均寿命が90歳を超す時代には、69歳までは働き、70歳から年金受給を開始するのが最も利回りが良いと考えることができるが、ストレスの溜まる仕事を続けることは幸福感が薄れるため、自分の個人会社を経営して、好きな仕事を続けるのが最善の道と言えそうだ。
早期リタイアを目指す FIRE(Financial Independence Retire Early)は、年間生活費の25年分(最低でも7500万円以上)をできるだけ早い時期に貯めて、残りの人生は投資の運用益(年間300万円前後)で生活していこうとするものだが、この理論には、サラリーマンを続けていれば受け取れるはずだった、生涯年金額の機会損失が考慮されていない。
年金のことを考えれば、会社は辞めずに「静かな退職者」としてサラリーマンを続けるほうが得策だが、低いモチベーションのまま、定年まで会社に居続けることにも、耐えがたい苦痛がある。そこで、サラリーマンの仕事は程々にして、前向きな情熱を副業に向けようとする兼業ワーカーが増えている。その方向性で副業が軌道に乗れば、正式な起業をして自分の会社を持つことで、年金の受給資格も保持することができる。FIRE族よりも安定した経済基盤を持つ「Fat FIRE」のスタイルとして注目されている。
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■JNEWS会員レポートの主な項目
・水面下で増える「静かなる退職者」の潜在層
・リモートワーク燃え尽き症候群の動向
・オフィス回帰により生産性が下がる実態
・自主退職率が増える大辞職時代の特徴と理由
・豊かなリタイア人生を目指す生涯年金計画
・自分で決めるリタイア年齢の考え方
・年金給付開始の年齢で変わる生涯資産の計算
・FIRE早期リタイアの欠点と改善モデル
・レイオフ・テックワーカーの転職と創業支援ビジネス
・エッセンシャルワーカーから脱するファミリービジネス
・中小事業で深刻化する人手不足の要因と労働市場の急変
■この記事の完全レポート
・JNEWS LETTER 2022.12.14
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