リモートセールスによる見込客開拓と営業代行の新形態
コロナを転機として企業の営業スタイルも大きく変化した。クライアントと顔を合わせて商談する機会は減り、メールや電話とビデオ会議システムを利用することで、見込客の開拓から商談、契約までを完結させるスタイルが主流になりつつある。
従来型の対面営業がアウトサイドセールスと呼ばれるのに対して、オンラインで行われる営業活動は、インサイドセールスと呼ばれ、法人向け営業の中では、インサイドセールスの専門チームが作られるようになっている。セールス業界における、アウトサイドからインサイドへの移行はコロナ前から起きているものだが、ここ数年で見込み客開拓の分析ツールが進化したことで、より体系的な非対面セールスが行われるようになってきた。
各種のデジタルセールスツールを開発する、InsideSales.com が米国で1万件を超す法人ユーザーによって、2018~2020年にかけて見込み客開拓のためにコールされた電話を匿名データとして、約3000万件の記録を分析したところ、営業対象となる担当者へのコンタクトに成功する確率は約30%で、午後よりも午前のほうがコンタクト率は10~15%高い。週の前半(月曜、火曜)は、後半と比べてコンタクト率が高く、金曜の午後は一週間の中で最も成果が低い。これだけのことを理解して、営業チームが電話かける時間帯を最適化するだけでも、セールスの成功確率は向上する。
■When to Prospect Research Brief(InsideSales.com)
しかし、インサイドセールスの中にも、積極的な営業をかける「アウトバウンドセールス」と、顧客からの自発的な問い合わせや見積もり依頼などを待つ「インバウンドセールス」がある。訪問型のセールスと比べると、インサイドセールスは営業コストが安いため、電話のコール数を増やすことで、見込み客も増やすことは可能だ。しかし、30%のコンタクト成功率は、逆にみれば70%のコールに失敗しているわけで、営業対象の会社側にも迷惑がかかっている。そのため今後は、よりスマートなリモートセールスへと進化していくことになる。
《セールススタイルの分類》
- アウトサイドセールス
顧客先を訪問する対面営業のスタイル、従来型の外回り営業。 - インサイドセールス
顧客先を訪問せずに、電話、メール、ビデオ会議などで営業をする。
○アウトバウンド型インサイドセールス
自ら積極的な営業活動をするスタイルで、見込客開拓で大量の電話をかけた中で、脈のある顧客との商談をビデオ会議などで深めていく。
○インバウンド型インサイドセールス
顧客からの自発的な問い合わせや見積もり依頼を待ち、信頼関係を築いた上でオンライン商談を進めていく。WebやSNSなどで潜在顧客に情報発信をしながら、質の高い見込客へと育てていくこともインサイドセールスの一部になっている。
こうした営業手法の変化により、いわゆる「営業職」の働き方にも変化が起きている。オンライン商談が主体のインサイドセールスでは、メールやチャットでの問い合わせに対しても迅速に対応する必要があるため、リモートワークが適している。そのため、完全リモートでセールスチームを形成する会社も増えている。
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■JNEWS会員レポートの主な項目
・リモートセールスの分類
・リモートセールスの職種と代行ビジネス
・問い合わせフォーム営業代行の業界構造
・チャットからの見込み客開拓と費用対効果
・需要が高まるチャットエージエントの新職種
・チャットによる弁護士事務所の見込み客開拓
・リモートセールスによる顧客獲得までの流れ
・営業しないテスラのインサイドセールス戦略
・テスラが展開するゼロドルマーケティング
・高級品販路として見直される百貨店の外商外商ネットワーク
・売らずに資源を循環させるサーキュラービジネスの作り方
・訪問営業から移行するインサイドセールスの手法と機能開発
■この記事の完全レポート
・JNEWS LETTER 2022.9.23
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