リモートワーカーによって形成される経済圏は「working-from-home economy(WFH経済)」と呼ばれ、各国のGDPにも影響を及ぼしはじめている。コロナ禍でリモートワークが実行できなれば、国際経済は深刻な危機に陥っていた。(JNEWSについてトップページ
パンデミック後の国際ビジネスを変革するWHF経済の特徴

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JNEWS会員配信日 2021/1/8

 2020年は、新型コロナの感染対策により在宅勤務が奨励された一年だったが、2021年も、労働市場はリモートワークを起点とした変革の年になることが予測されている。変革の波に乗れるか、乗り遅れるのかによって、会社の存続や個人の年収格差が生じてくる。

パーソル総合研究所が実施した調査によると、全国でリモートワークに移行している労働者(正社員)は、2020年4月~11月にかけて25%だが、実際のリモートワーク事情は、会社の規模や職種、雇用形態によって大きく異なっている。

会社規模では、社員数が1万人以上の大企業では、リモートワーク実施率が45%であるのに対して、社員数100人未満の中小企業は13.1%と低い。職種別では、情報通信業界の技術職やマーケティング部門は50%以上だが、接客を伴うサービス業、現場作業の仕事では10%未満と低い。また、同じ職場でも、正社員のみがリモート勤務の適用となり、非正社員にはリモート勤務の権利が与えられないという格差も、水面下では起きている。

《国内のリモートワーク実施動向(2020年11月)》

データからは、大企業に勤めるホワイトカラー職のリモートワーク率が高いことがわかるが、この傾向は米国でも共通している。スタンフォード大学の調査によると、2020年5月以降、米国労働者(20~64歳)の勤務体系は、在宅勤務者(42%)、職場への通勤者(26%)、自宅待機または失業者(33%)という内訳になっている。

学歴別にみると、4年制大学卒者の57.8%が在宅勤務をしているのに対して、高卒者は22.7%にまで下がる。年収ランク別にみても、上位25%までの高年収者の59.9%が在宅勤務の権利を得ているが、年収が下位25%の労働者は在宅勤務率も28.8%と低い。

《パンデミック後の在宅勤務率(米国)》

スタンフォード大学の同レポートでは、パンデミック以降の米国経済は、在宅勤務者が支える「working-from-home economy(WFH経済)」が形成されていることを言及している。もしも、リモートワークができない環境のままパンデミックが起きていれば、世界経済は崩壊していた。新型コロナの収束後も、大半の企業が感染症対策を意識するようになるため、WHF経済は急成長しながら、従来の労働市場を変革していくことになりそうだ。

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・各国のGDPに影響するWFH経済圏とは
・高度人材を引き寄せるリモート経済の特徴
・多国籍リモートワーカーの採用支援ビジネス
・メーカー企業のリモートエンジニア雇用モデル
・リモートワークで変化する給与体系
・社内の上下関係を作らずに昇給する給与制度の仕組み
・離職率を下げるオープン給与制度の構築方法
・パンデミック後に増えるフリーランス需要の動向
・コロナ感染終息後に起きる職場崩壊と労働市場の変化
・コロナ失業者を救済する従業員一時雇用仲介ビジネス
・在宅勤務普及で再考されるオフィスの役割と費用対効果
・優秀人材が集まるリモートファースト企業の運営手法

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