起業や副業希望者に向けて「ピラミッドスキーム」と呼ばれる投資詐欺の手法が広がっている。架空の投資案件で出資者を募るが、何重もの代理店ネットワークを作ることで、詐欺の首謀者は巨額の資金を集めることができる(JNEWSについてトップページ
架空投資で起業・副業者を狙うピラミッドスキーム

JNEWS
JNEWS会員配信日 2019/9/20

 新種の詐欺が次々と生まれては、騙される被害者が減らないのは、人間が抱えている孤独や不安の心理に対して、詐欺師は巧妙な手口で付け入るためである。
その点では、将来の金銭面に不安を抱えており、できるだけ手軽に収入を増やしたいと考えている人達は、詐欺師にとっては騙しやすい属性となっている。

起業や副業希望者をターゲットとして、海外で増えている詐欺に「ピラミッドスキーム」というものがある。これは、マルチ商法のように個人の販売代理店を何重ものピラミッド階層に広げていくものだが、実体のある商品の販売することで収益を分配するのではなく、実質価値の無い代理店の権利、電子書籍の著作権、ソフトウエアのライセンス権などを販売したり、投資案件の出資者を募ることにより、傘下のネットワークを広げていくのが特徴だ。

たとえば、新種の仮想通貨に出資する投資案件があったとしよう。個人投資家のAは、最初に2,000ドルの出資をして、この投資案件に参加する。自分の友人Bを勧誘すると、その出資額に対して25%のリターン(1階層)が得られる取り決めで、さらにBが彼の友人Cを勧誘すると、Bには25%、Aの元にも15%のリターンが得られる。

このようなインセンティブ制度により、投資案件の参加者をピラミッド階層のように広げていくことで、階層の上位にいる詐欺の首謀者は、巨額の資金を集めることができる。

《投資案件勧誘のピラミッドスキーム》

違法なピラミッドスキームの具体例として、ブルガリアで開発された「OneCoin(ワンコイン)」という仮想通貨は、個人投資家向けにセミナーを開催することでコインの購入者を増やしていった。その仕組みは、購入者が友人・知人を勧誘するとインセンティブが得られるピラミッドスキームを構築するもので、OneCoinの投資家層は世界に広がっていった。

しかし、OneCoin自体にブロックチェーン技術による暗号通貨としての裏付けは無いことが判明しており、ブルガリアを始めとしたEU各国の金融当局は詐欺通貨と断定して、OneCoinの運営者は2019年に逮捕されている。OneCoinに投資された被害額は、世界でおよそ40億ドル(約4400億円)とみられている。

キャッシュレス社会の到来により、金融商品の仕組みも複雑になり、それを逆手に取った投資詐欺は、これから急増することが予測されている。二次的な収入を得たいと考えるサラリーマンや高齢者にとって、「不労所得が稼げる」という誘い言葉には魅力があり、多少のリスクはあっても虎の子の資金を差し出してしまう習性がある。

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