需給のバランスによって価格が変動するダイナミックプライシングは 、航空チケットやホテルの他、コンサートやスポーツのチケット、電気料金、小売店の店頭価格など広範囲に適用されはじめており、繁忙期と閑散期の偏りを調整した収益管理が行われている(JNEWSについて
変動価格で利益を最適化するレベニューマネジメント

JNEWS
JNEWS会員配信日 2019/6/5

 旅行をするなら、ゴールデンウィークや夏休みのハイシーズンを外したしたほうが大幅に安くなる。令和のGW10連休には、東京-沖縄の航空券は最安値でも片道2万円以上したが、6月の平日は6,000円台にまで下がっている。ホテルについても同様で、行楽シーズンの他に、周辺で大規模なコンサートやスポーツイベントが開催される日程には、予約サイトの料金設定が2~3倍にまで高騰ことが、最近では増えている。

これはAIによる変動価格のアルゴリズムが導入されはじめているためだ。ホテルの売上は、単価×客室数によって決まるが、需給の状況に応じて、客室単価を変動させながら収益を伸ばすことは「レベニューマネジメント」として、世界での導入が進んでいる。

たとえば、従来の価格設定として、客室数が250室あるホテルが、団体ツアー客を6割(一人90ドル)、個人客を4割(一人130ドル)の割合で受け入れている場合、繁忙期でも1日の限界収入は26,500ドルになる。

これを動的価格にして、最初は90ドル(80室)の予約から開始して、その枠が埋まれば110ドル(60室)、次は130ドル(60室)、150ドル(50室)と変動させていくことにより、限界収入を29,100ドルにまで伸ばすことができる。繁忙期のホテルは需要過多となるため、顧客からみても透明性の高い方法で、料金を段階的に引き上げていくことが、収益向上に繋がる。

《ホテル宿泊料金のシミュレーション》

What Dynamic Pricing can do to your Hotel Revenue(RateGain)

実際の動的価格戦略(ダイナミックプライス)はさらに複雑で、シーズン毎の需要予測、競合ホテルの価格状況、予約日から宿泊当日までのリードタイムや天気予報も考慮しながら、ハイシーズンはできるだけ宿泊単価を高く売り、ローシーズンでも客室在庫を売り切ることを目的とした価格設定をするアルゴリズムが組まれている。そのため、基本料金が1泊100ドルの部屋でも、シーズンや曜日によって40ドルから500ドルまでの価格変動があることも珍しくない。このようなホテル向けの動的価格システムは、月額数十ドル~のクラウドサービスとしても導入することが可能になってきている。

動的価格は、小売業、スポーツやコンサートのチケット、電力料金などにも導入されている他、広範囲の業界への普及が予測されているが、それに伴い、市民の生活スタイルにも、大きな変化が生じてくるようになる。ハイシーズンとローシーズンで3倍もの価格差が生じるのであれば、ハイシーズンは、できるだけ買い物や外出を控えるようにして、ローシーズンに休暇を取るようにすれば、収入は同じでも実質的な豊かさは高くなる。

また、フリーランスの報酬体系にもダイナミックプライス制が導入されると、業界の中で生じる繁閑サイクルを上手に活用して、報酬相場が高くなる繁忙期を中心に働き、閑散期にまとめて休むようにすれば、同じ労働時間でも20~30%の増収効果が見込める。

ダイナミックプライスの狙いには、需給の偏りを平準化することもあるため、月曜から金曜は働き、土日は休む、という労働者の画一的な就労スタイルも次第に崩れていく可能性がある。

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JNEWS会員レポートの主な項目
・ホテル動的価格による収益シミュレーション
・Jリーグに導入される価格最適化ソリューション
・商品の価値(価格)を変動させる要因と特性
・商品価格の弾力性で管理するレベニューマネジメント
・フリーランス就労者の需給をコントロールする変動報酬
・Uberサージ料金を攻略するドライバーの新たな稼ぎ方
・変動報酬で最適な勤務時間を選ぶワークスタイル
・フリーランスの時間管理と報酬単価の最適化
・スキルの相場変動を意識したフリーランスの自己投資
・兼業で時間収益を最大化するパラレルワーカーの働き方
・安定利益を確保する価格の最適化とアルゴコマースの変革
・リアルタイムで商品価格を変動させるダイナミックプライス

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