サラリーマンからプロ経営者を目指す道筋とキャリア形成

JNEWS会員配信日 2017/11/14

 ビジネスの成功者というと、ゼロから事業を立ち上げた起業家のイメージが強いが、サラリーマンの立場でも大きな成功を築ける道は広がっている。海外では、創業者ではないものの、CEOとして経営を任されている「プロ経営者」が活躍しているが、日本でも同じ企業経営のスタイルが注目されている。

背景にあるのは、日本企業の外国人株主比率が高まっていることだ。国内上場企業の株式保有比率をみても、1990年代には外国法人の割合が10%未満だったが、現在は30%にまで上昇しており、企業経営にも彼らの意向が反映されるようになっているためである。

上場企業の株主構成

経営者には大きく分けて4つの分類がある。一番目は、ゼロから会社を起こした創業社長。二番目は、親(創業者)の会社を世襲した後継社長、三番目は、創業家との血縁はなく、社内の生え抜きとして昇格した社長。4番目が、外部から招聘された社長であるが、それぞれに長所と短所がある。

《経営者の分類》

○創業社長
…事業をゼロから成功させた創業者であるため実力はある。反面、ワンマン経営であるケースが多く、経営不振に陥った時にも自分の考えを曲げにくく、組織としての軌道修正が難しい面がある。

○世襲の後継社長
…血縁によって事業継承されるため、後継社長は社内外からの批判を浴びやすい。ただし、後継社長がすべてダメというわけではなく、創業者の知恵やノウハウを子供時代から学んでいるため、後継社長が業績を伸ばすケースも少なくない。

○生え抜き社長
…一般社員から課長→部長→専務などを経て社長に昇格しているため、社内の事情は熟知している。社内の人望は厚いものの、人間関係がしがらみとなって、大胆な社内変革を行うことが難しい。先代社長から引き継いだ経営路線を踏襲するのが一般的で、創業オーナーではないため、大きなリスクを冒してまで新しいチャレンジはしにくい。

○外部招聘社長
…生え抜き社長とは違って、社内のしがらみが無いため、社内変革で大ナタを振るうことができる。ただし、短期で成果を出すことが要求されるため、社内全体が成果主義の風潮に陥りやすい懸念がある。

「プロ経営者」に明確な定義があるわけではなく、外部から招聘された社長のことを指している記事もあるが、これは正しい解釈とは言えない。米フォーブス誌がランキングする「フォーチュン100社」を調査したところでは、社内からの昇格でCEOになっている経営者は全体の79%で、外部招聘のCEOは11%に留まっている。そのため、内部昇格でも評価が高いプロ経営者は多数存在している。

How To Become A CEO: These Are The Steps You Should Take(Forbes)

プロ経営者の特徴を挙げるとすれば、企業経営に精通したスペシャリストであり、株主からの評価も高い人材ということだろう。近年では、販路のグローバル展開や事業の多角化により、会社の舵取りも複雑化しているため、専門的な経営スキルが求められるようになっている。そのため、創業者=社長であることがベストとは限らない。

大企業に限らず、中小企業でもプロ経営者へのニーズは高まってきている。中小企業の大半は、創業者とその家族が株式を持つファミリー企業(同族会社)であるが、外部からCEOを雇って会社の業績を伸ばす方法が注目されている。その先には、業績を高めてからM&Aで会社を売却することも視野にある。

日本国内でも 380万社を超える中小企業があり、その97%は同族会社である。利益を出せないでいる赤字企業の割合も6割以上と高いが、経営を外部の人材に任せることにより、立て直せる会社は少なくない。創業一族にとっても、株式を保有するオーナーの立場を維持していれば、社長の座にこだわる必要はない。会社が黒字化することで、会社オーナーは配当収入を得ることができる。

そうした「所有と経営の分離」の考え方は徐々に浸透して、プロ経営者が活躍できる土壌は育ってきている。これは、サラリーマンの出世スタイルにも変化が生じていくことを意味する。(この内容はJNEWS会員レポートの一部です。正式会員の登録をすることで詳細レポートにアクセスすることができます記事一覧 / JNEWSについて

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