社員の“やる気”を引き出す独立支援/のれん分け制度

JNEWS会員配信日 2016/10/8

社内のモチベーション(やる気)を高める方法として、全社員の給料を一律上げたとしても、その効果は一時的なものでしかない。高成績の社員ほど高い給料を与える実力主義の報酬制度は、一部の有能な社員の“やる気”を引き出すことはできるが、逆に「熱意のある社員」と「努力を諦めてしまう社員」の乖離を大きくしてしまうリスクがある。

また、実力給といっても「雇用している社員」という枠の中では、給与の支給額には限度があり、経営者と同じような夢を追いかけられるわけではない。そのため、有能な人材ほど、現職に留まろうとする意識は薄く、独立起業を考えるようになる。企業にとって、勝手に独立されてしまうのは痛手になるし、ライバルとして敵対する懸念もある。

それならば、やる気のある社員が、独立して経営者になれるまでの道筋を作り、起業をバックアップする体制を会社側で整えることが、優秀な人材を“身内”として留めることができ、社員全体のモチベーションを高める方法としても理想的だ。実際に、多店舗展開をする飲食チェーンでは、「社員独立制度」や「のれん分け制度」などを作り、従業員のやる気を駆り立て、チェーン全体の業績拡大にも繋げている。



米国では「のれん分け」に近いものとして、フランチャイズ制度や、軌道に乗り始めた事業を従業員に買い取らせる「マネジメントバイアウト(MBO)」の手法があるが、それを日本の企業が取り入れていくには、日本人特有の気質やビジネスの業種なども考慮してカスタマイズしていく必要がある。

 大手の飲食企業では、フランチャイズ方式(FC)で全国に店舗を拡大している例が多い。FC加盟者が資金調達をして新店舗を出店し、FC本部は、加盟店の売上に対するロイヤリティで収益を得るビジネスモデルである。

しかしこの方法では、飲食業の未経験者が店舗オーナーとなるケースも多く、店によって料理の品質にバラツキが生じてくる。接客サービスについても、マニュアルは用意されているものの、オーナーが開業時に受講する数週間のセミナーだけで身に付くものではない。

そこで、外部からFCオーナーを募集するのではなく、自店で3~5年以上働いて一定レベル以上の技量と経験を積んだ社員に限定して“のれん分け”をさせる制度を導入した企業が業績を伸ばしている。(この内容はJNEWS会員レポートの一部です。正式会員の登録をすることで詳細レポートにアクセスすることができます記事一覧 / JNEWSについて

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 ●業務委託型サロンの運営スタイル
 ●出資比率を工夫するITビジネスの起業支援
 ●創業時の出資比率で変わる企業価値の考え方
 

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