JNEWS会員配信日 2016/4/13
これからは公的年金だけに頼った生活ができなくなるため、健康なうちは働き続けなくてはいけなくなる。日本の60歳以上で就労している人の理由をみても、「経済上の理由」が7割以上を占めている。(高年齢者就業実態調査)
しかし、高齢になっても働ける仕事というと、警備員、ビルの清掃、倉庫作業、コンビニ店員などのパート・アルバイトが多く、“仕事のやり甲斐”という面では満足度が低いのが実情である。しかし、過去のキャリアから、高いスキルや知識を持つ高齢者は少なくないため、それを有効活用していくことが、社会に役立つはずである。
そこで新しいトレンドとして、米国では高齢者を「フェローシップ」として非営利団体や教育機関などが雇う動きが出てきている。“フェロー(Fellow)”という働き方は、正式な雇用ではないが、専門性が求められる職域で、一定の期間を職員として、またはプロジェクト単位の仕事として、有給で採用することを意味している。
《シニア人材がフェローシップとして関わる職種例》
- NPOのマーケティングや広報担当
- 業務で必要なソフトウェアの開発やメンテナンス
- 契約書の作成や知的財産などを管理する法務担当
- スタッフの採用や育成などの人事部門
- 資金調達や財務管理
- 新規事業プロジェクトのマネジメント
フェローシップとしての仕事は、正規の職員よりもフレキシブルな働き方が認められており、年間で約1,000時間の労働時間で、平均的な報酬は 25,000〜35,000ドル(300〜400万円)となっている。
※シニア向けにフェローシップの仕事を仲介する「Encore.org」
現役のビジネスマンとして働いている頃と比べれば少ない金額かもしれないが、社会に役立つ事業の中で、やり甲斐のある職種とポジションを与えられるため、フェローとして働いた人の80%以上が高い満足度を得ている。さらに、一つの団体で実績を上げると、正規職員として採用されるケースや、次の団体での仕事が得られるチャンスもある。(この内容はJNEWS会員レポートの一部です→記事一覧)
■JNEWS会員レポートの主な項目
●高齢者をターゲットにするスマートウオッチ市場
●シニア層を意識したタブレット開発
●同居から独居へ急速にシフトする家族形態
●孤独を感じさせないリタイアメントコミュニティ
●高齢者セレブの新たな生活スタイル
●フェローシップとしての新たな働き方
●シニア人材がフェローシップとして関わる職種
●高齢者の生活ケアをするシニア起業家の着眼点
●ウォーカブルシティへの都市再生と街をスコア化するビジネス
●高齢オーナーよりも長生きする愛犬向け遺言信託サービス
●人生の最終章をサポートする終活専門職としての独立開業
●60代以降の起業者を増やすシニア・アントレプレナー支援市場
●介護業界への転職で築く業界人脈→独立開業への起業モデル
●個族社会における裕福層の正体と孤独を癒すサービス業
■この記事の完全レポート
・JNEWS LETTER 2016.4.13
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