JNEWS会員配信日 2015/10/6
金の相場はドル建てが基本のため、海外と日本では資産としての役割が若干異なっている。
為替の円安が進行すれば、日本からみた金の価値は上昇することになる。さらに、世界の経済情勢が悪化して、他の海外金融商品が下落する局面では、逆に金が買われる特性があるため、資産ポートフォリオの一部として金を持つことはリスクヘッジとして有効だ。
※写真:田中貴金属工業
ただし、金には利子や配当が付かないため、主要国通貨の金利が上昇局面に入ると、投資家は「金を売って金利が高い通貨を買う」という行動に出るため、金相場は下落しやすい。
ドル建でみた金の相場は、サブプライムローン問題が起きた2006年頃から買われて3倍以上に高騰したが、最近は米国経済が回復して、2015年中にもドルの利上げが計画されているため、金は2012年のピーク時よりも下落している。しかし、日本からみると、円安効果によってそれほどに価値は目減りしていない。
これから米国の利上げが段階的に行われて、世界経済も順調に立ち直っていけば、金は更に下落していくことが予測されるが、欧州や中国の経済危機が深刻になれば、逆に金が買われるシナリオも考えられる。
これまでは、米ドルが世界の基軸通貨としての役割を担ってきたわけだが、世界経済がドル依存を続けることはリスクが大きいため、今後は、ユーロ、英ポンド、日本円、人民元など複数の通貨に加えて、金の保有高を高める動きが各国に出てきている。
日本人にとっては、金相場が下落したとしても、円安が進行すれば、価値が急落するリスクは軽減されるため、金を安全資産として保有することの意味はある。
個人が現物の金を保有する選択肢としては、「地金のインゴット(鋳塊)を買う」「金貨を買う」「金のアクセサリーを買う」という3種類の方法がある。
金製品の価格は、その時の相場によって算定されるが、購入方法や業者側によって上乗せするマージンが異なるため、販売価格には差が生じている。そこにからは、金の売買ビジネスに参入するためのヒントを見つけることができる。(この内容はJNEWS会員レポートの一部です)
■JNEWS会員レポートの主な項目
●マイナンバー対策としての純金資産
●海外とは異なる日本人からみた金資産の役割
●用途によって異なる金の購入方法と手数料体系
●純金アクセサリーの長所と短所について
●新品と中古の区別が無い金の流通構造
●貴金属買取店を利用する上での注意点
●高齢世帯から子供世帯へ資産移動する相続対策ビジネス
●貴金属買取専門店の採算とリサイクルボックスの開発商機
●欧米人はなぜ金貨の購入に走るのか?命を守る本物資産
■この記事の完全レポート
・JNEWS LETTER 2015.10.6
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