JNEWS会員配信日 2015/6/13
国の省庁や自治体では、多額の防災予算を組んで、民間の業者から多種多様な防災関連の資材を調達しているが、公平性を保つために入札方式で参入業者を募集している。
入札への参加には、事前に参加資格の申請をする必要があるが、過去に公共入札の不正行為で処分を受けていたり、税金の滞納をしていなければ、中小企業や個人事業者でも資格を取得できるのが普通だ。
入札資格は有効期限が3〜5年で、国、都道府県、市町村によって申請の窓口が別々になっている。国の入札制度では「全省庁統一資格」を取得することで、すべての省庁や外郭団体が行う競争入札に参加することができる。
※出所:全省庁統一資格の申請サイト
全省庁の統一資格では、会社の規模(売上高、自己資本額、営業年数などから点数化したもの)によってA〜Dのランク分けがされているが、大企業だけが入札対象となる案件は少数で、建設工事などを除けば、全体のおよそ半分が 500万円以下の少額案件になっている。
そのため、中小の事業者でも参加できる案件も多数見つけることが可能だ。たとえば、防災に関するガイドブックやDVDビデオの制作などは、100万〜300万円台で落札されている。
《中小事業者向けの入札案件例(防災分野)》
- 防災啓発用パンフレットの作成
- 防災備蓄用品の購入
- 救急医療用品の購入
- スマホ向け防災アプリの開発、システム保守
- 防災備蓄倉庫の設計、建設、修繕
- 住宅耐震診断業務の委託
- 防災用ホームページの作成
- 防災セミナー運営の委託
《公共入札参加への流れ》
●入札資格の取得
↓
●入札情報の収集
↓
●仕様書の入手、説明会への参加
↓
●入札に必要な書類の作成、入札額の算定
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●決められた日時に入札
↓
●落札結果
全国には各省庁、外郭団体、都道府県、市町村などが管轄する公的機関が5千ヶ所以上あり、入札方式による物資の調達や業務委託先の公募を行っている。そうした情報をチェックしていけば、自社の業務にマッチしたタイムリーな仕事を見つけ出すことができる。
IT・情報通信の開発案件だけでも年間で7万件が公示されているが、その中の、およそ6割を、日本電気、富士通、日立製作所、NTTデータなどの大手が落札している。そこに中小のシステム会社が参戦することもできるし、大手が手を出しにくい小規模な案件を探し出していくことも可能だ。
入札案件は、オープンな情報のため、国の機関紙である「官報」や、各官庁、自治体のホームページなどで公開されている。ただし、公示される場所が所轄機関によって異なるため、すべてをチェックしていくことは難しい。また、妥当な相場で入札するには、過去の類似案件がいくらで落札されているのかまで調べていく必要がある。(この内容はJNEWS会員レポートの一部です)
■JNEWS会員レポートの主な項目
●スモールビジネスとして参入する防災グッズ販売
●公共入札の参加による官公庁・自治体の販路開拓
●入札案件の情報収集と分析サービス
●防災技術と新興国ビジネスとの接点
●日本発の防災輸出ビジネス
●新たな防災商品の開発テーマについて
●競争資金を活用した研究ビジネスの起業モデルと収益構造
●防災用物資を扱う防災商社の存在と情報を扱う防災メディア
●トイレのある場所に客が集まる人間行動学とトイレビジネス
■この記事の完全レポート
・JNEWS LETTER 2015.6.13
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