JNEWS会員配信日 2014/5/14
労働者の賃金引き上げは、アベノミクスの重要政策として掲げられ、業績が好調な自動車メーカーでは、昨年の年間ボーナスが 200万円を超えるという景気の良い話も聞こえるようになってきた。しかし、給与総額の統計でみると、全体の賃金水準が上がっているわけではない。特に、月々の固定給については2014年に入ってからも下落の傾向が続いている。
これからの賃金水準は、すべての労働者が一律にベースアップしていくのではなく、企業側が求めている職種、キャリア、実績などによって差が生じてくることは避けられない。ITやマニュアル化が可能な仕事は、正社員から非正社員へと担当が置き換わることになり、賃金コストは非情に切り下げられていく。
それは、いわゆる“ブルーカラー”の仕事だけでなく、大卒のホワイトカラーが行ってきた仕事にも当てはまる。たとえば、銀行の窓口業務を行う「テラー」という職種は、金融商品の手続きに精通していなくてはできない専門職だが、最近ではパート社員が担当するようになり、正社員の仕事ではなくなってきている。
時代によっても、求められる職種は異なってくるため、働く側としては、その変化に対応した、専門性を高めていく必要がある。大学や大学院を卒業したからといって、安定した職を得られる保証は無く、逆に高校卒でも、今後の雇用が伸びる分野の専門スキルを身に付ければ、失業のリスクは少ない。つまり、職種別の需給動向に注視していくことが重要だ。
さらに、高収入が狙えるサラリーマンとしては、「マネージャー」としての資質が重要になってくる。それは従来の「中間管理職」とは異なるものであり、新規事業の全体像を設計して、実務のコーディネートができるスキルが求められている。こうした人材には、労働者の賃金が総じて下落していく中でも、高い年収条件が提示されている。
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JNEWS LETTER 2014.5.14
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