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外発的動機から内発的動機へ
ステップアップする起業への意欲
JNEWS会員配信日 2013/12/16

 仕事をするモチベーションの向上策として、賞金・賞品などの“ご褒美”を与えることにより、従業員のやる気を引き出すための手法が多いが、そうした外的刺激が、逆効果になるケースもある。

これは「アンダーマイニング効果」と呼ばれるもので、自発的に努力を継続していることに対して、金銭などの報酬を与えられると、やる気が失われてしまうことを指している。

わかりやすい例として、自発的に勉強をしている人に対して報酬を与えると、逆に、勉強がしたくなくなることがある。その理由は、報酬を貰うことにより「自主的な勉強」ではなく、「他人に勉強をやらされている」という心理状態に切り替わってしまうためとみられている。

最初の動機付けとして、まったく勉強をしない子どもに対して、何らかのご褒美を与えることには一定の効果はあっても、その方法だけで、難関大学の合格まで導くことはできない。大きな目標をクリアーするには、“ご褒美”のような外的刺激ではなくて、「勉強することの面白さを知る」ような、本人の中から内発的なモチベーションが生まれてくることが重要だ。

スポーツが上達するプロセスでも、最初の入り口は「女子にモテたいから」というような、単純な外的動機でも構わないが、そこから先は「試合に勝ちたい」「もっと技術を高めたい」といった内発動機へステップアップしていくことが、一流選手になるための条件といえる。

これをビジネスに当てはめると、報酬を引き上げるだけでは、従業員のやる気を最大限に引き出すことはできず、外的な動機付けを、内発的モチベーションへと高めていくためのプロセスが必要になることがわかる。「高い報酬を払っていたにも関わらず、優秀な社員が辞めてしまった」というのは、仕事の楽しさを感じられなかったり、社内で有意義な目標設定ができない悩みを抱えているケースが多い。

一方、起業したての経営者が、無報酬でも仕事を深夜まで頑張れるのは、将来の夢を実現するための内発的モチベーションが、自分の中で上手く設定できているためだ。


この記事の核となる項目

 ●ボーナス制度によって生じる社内の不満
 ●賞与資金を縮小してやる気を引き出すボーナス改革
 ●公務員にも導入されるパフォーマンスボーナスの仕組み
 ●非現金ボーナスで社員を刺激する心理テクニック
 ●ディズニーに学ぶ非正社員向けボーナス特典の付け方
 ●割引特典による非正社員インセンティブの仕組み
 ●外発的動機から内発的動機へのステップアップ
 ●若手社員のやる気を誘発させるリバース・メンタリング
 ●サバティカル休暇を活用した社員のモチベーション向上
 ●罰金と報酬で刺激するスポーツクラブのモチベーション向上策
 ●感動をウリにする第5次ビジネスの正体と消費者の欲求願望
 ●悲惨指数からみた不満への衝動と世界で深刻化する失業問題


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JNEWS LETTER 2013.12.16
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