起業家のための成功法則
  
Top > 起業家のための成功法則
  米国では、電子書籍の出版により、無名の個人が100万部を超すベストセラー作家になる成功例が登場。電子書籍の人気作家として成功するポイントは、読者との対話を積極的にすること、次作へと続くストーリをシリーズ化していくことなどが挙げられる。
JNEWS LETTER
2週間無料体験購読
配信先メールアドレス

Counter

RDF

twitter

Google

WWW を検索
JNEWS.com を検索
プロの作家として生計を立てていくための道筋と
出版社の役割
written in 2013/3/21

 電子書籍は、作家の収益構造にも大きな変化をもたらしている。紙の書籍は印刷〜製本のコストや、売れ残りの在庫リスクがあるため、“自分の本”を出版するまでには高いハードルがあった。しかし、電子書籍なら、誰もが手軽に本を出版することができる。

アマゾンが用意している「Kindle ダイレクト・パブリッシング (KDP) 」というプラットフォームを利用すると、自分が書いた原稿をキンドル版の電子書籍にしてアマゾン内のキンドルストアーで販売することができる。本の売上に対して、作者には35%(条件によっては70%)のロイヤリティが支払われる。

無名の個人が、電子書籍でミリオンセラーを生み出す成功例も登場している。もともと、普通のサラリーマンだったジョン・ロック氏は、電子書籍でミステリー小説を出版しはじめたところ人気となり、2011年1月からシリーズの販売総数が170万部を超えており、月に10万ドル以上を稼いでいると言われる。

ロック氏の特徴は、アマゾンの著者ページやツイッター、ブログなどを上手に活用して、読者からの質問に丁寧に答えていることである。



ベストセラー本の作者として高収入を得るには、ヒットした作品をシリーズ化して、次々と続編を出していくことが、一つの成功法則になる。たとえば、1990年代に紙の自費出版からスタートして、米国で爆発的に売れた「チキンスープ・フォア・ザ・ソウル(Chicken Soup for the Soul)」という本がある。

これは、実在する人物達の、ちょっといい話をテーマ毎にまとめたもので、心のチキンスープ(滋養ある食事)になることをコンセプトにしている。1993年に最初の自費出版がされてから、現在までに、200タイトル以上のシリーズが続いており、紙版と電子版を含めて1億1200万冊以上が売れている。

電子書籍は出版コストが安いため、作品をシリーズ化させていくことが容易であり、ミステリー小説などは、一冊でストーリーを完結させるよりも、次作へ続けていくほうが、長期にわたり読者を引きつけることができる。そのためにも、ヒット作となるテーマの開拓は重要だが、無料で読めるネットコンテンツとカブらない分野で探すことも大切になる。

しかし、ベストセラーを生み出せる作者はほんの一握りで、無名の新人が独力で本を売って生計を立てていくには、いくつものハードルを乗り越えていかなくてはならない。

起業家のための成功法則一覧へ

この記事の核となる項目
 ●電子版へシフトする米国出版ビジネスの動向
 ●電子リーダーを無料配布する電子雑誌の販促活動
 ●電子版と紙版を共存させる新聞社の事情とは
 ●ローカル電子広告の新たなビジネスモデル
 ●電子書籍をレンタルできる図書館の貸出システム
 ●個人出版によるインディーズ作家の台頭
 ●電子出版における配本取次業者の役割とは
 ●電子書籍で生計を立てていくための視点と注意点
 ●iPadユーザーに向けた電子書籍の出版方法と取次ビジネス
 ●電子書籍で儲けるのは誰なのか?メジャー契約から個人出版へ
 ●無料新聞の登場に揺れ動く新聞社のビジネスモデルと収益構造


この記事の完全情報はこちらへ
JNEWS LETTER 2013.3.21
※アクセスには正式登録後のID、PASSWORDが必要です。

■この記事に関連したバックナンバー
 ●広告に翻弄される「雑誌」の収益構造と電子マガジンの行方
 ●成長なき出版ビジネスで変わる業界地図と電子商戦の戦い方
 ●アマゾンから電子新聞が届いてリアル書店が消滅する日の到来
 ●開業資金を抑えたローコスト起業を実現させるクラウドサービス
 ●安全志向で増えるチキン起業とパートタイムビジネスの接点